EVENT | 2021/01/01

謹賀新年!FINDERS創刊編集長が選ぶ2020年ベスト10

新年、明けましておめでとうございます!
FINDERS編集長の米田です。去年の元日の挨拶の記事で、私はこういう文章で新...

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新年、明けましておめでとうございます!

FINDERS編集長の米田です。去年の元日の挨拶の記事で、私はこういう文章で新年のご挨拶を綴っていました、

『令和の時代が始まり、東京オリンピック・パラリンピックが開始される今年は多くの人にとってメモリアルな1年になることでしょう』

メモリアルな1年という以外はまったく私の予想は外れてしまいました。そう新型コロナウイルスのパンデミックです。新型コロナウイルスは私たちの生活を一変させました。マスクは常備となり、ソーシャルディスタンスをとることが当たり前となり、テレワークが推奨され、各分野におけるDX(デジタル化)の遅れが現になりました。東京オリンピック・パラリンピックは今年に延期され、世界的にウイルスの感染は止むことなく、企業の倒産・失業者は増え続け、収束の目処は立っていません。

今年、ワクチンの接種が全国民に行き渡り、特効薬が開発されるやもしれません。しかし、それで感染拡大が収まるのか、以前の生活に単に戻るのではなく、ニューノーマルな生活様式がスタンダートになっていくのでしょうか。答えは誰にもわかりません。こういった予測不可能な日々を送るためにはカーボンのようなレジリエンス(しなやかさ)な姿勢が必要になってくるでしょう。

さて、今年も単純にページビューのランキングではなく、編集長である私が私的に選んだベスト10を発表したいと思います。まだ該当記事を読んだことがなかった方やすでに読まれている方ももう一度ご覧いただけると幸甚です。

では、発表です!

▼10位
コロナパニック対策!てぬぐいを折るだけでできるマスクが話題。人気てぬぐい専門店「かまわぬ」が作り方動画を緊急公開!

新型コロナウイルスの感染拡大はFINDERSの記事作りに大きな影響を与えました。特にカテゴリー「ITEM」では、ご存知のようにマスクに関する記事をかなりの数、公開しました。その中で最もページビューを叩き出したのがこの記事です。なんてことない短い記事ですが、公開当時の3月はマスク不足で皆がパニックに陥っていた頃で、こういった洗える・かわいいマスクなんてなかなかない時期でした。2020年はマスクが定着した1年とも言えるのでそれを象徴する記事として選びました。

▼9位

差別の少ないオランダで「日本人差別」を受けて初めて気づいたこと【連載】オランダ発スロージャーナリズム(31)

コロナと共に2020年のトピックとして挙げられるとしたら、アメリカの黒人差別への抗議運動「BLM」かもしれません。人種間の差別への運動はアメリカのBLMをきっかけに世界中に広まりました。私は40カ国ほど訪れましたが、ニューヨークで通りすがりの人に「ジャップ」と言われたり、細かい差別は経験しました。しかし、ヨーロッパでは特に差別を感じることはなかったので、現地在住者のリアルな経験というものは興味がありました。

▼8位
「左翼も右翼も大嫌い!」という人にこそ観てほしい“圧倒的熱量”の対話。50年の時を経て遂に解禁された伝説的討論『三島由紀夫vs東大全共闘』監督・プロデューサーインタビュー

TBSのライブラリーには4時間を超える三島に関する映像があり、この討論に関しては90分程の素材があったと言います。さらに討論本編の約80分のフィルム原盤も見つかり、それらを編集してこの作品が出来上がりました。何しろ50年以上前の三島と学生の討論会ですから、それを映像で観ることができるという貴重な経験ができました。真剣勝負でまさに「言葉の格闘技」の攻防を見せる両者。今、若い人に観てもらって何か感じてもらえたら、という制作者へのインタビューでした。

▼7位
なぜ日本でPCR検査数が増えないのか。論点と解決策をわかりやすく整理する【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(2)

京都大学〜マッキンゼー〜船井総研〜肉体労働という異色の経歴を持つ経営コンサルタント・経済思想家、倉本圭造さんの連載はFINDERSに新しい風を吹かせてくれました。情報が溢れ流れる現代において、なんでも二元論で考え、想像力が羽ばたいていかない、そんなことを倉本さんは警鐘を鳴らします。私たちは(笑)とつけられがちな意識高い系を乗り越え、「あたらしい意識高い系」になることができるか。倉本さんの今後の連載記事にも注目です。

▼6位
「100日後に死ぬワニ」最終回直後に炎上死!ネットに蔓延る「嫌儲」のルーツを探る【連載】中川淳一郎の令和ネット漂流記(10)

SNSにおける表現の可能性と、そこにまつわるビジネスについて考えさせらることになり、大きな話題になった「100日後に死ぬワニ」。コンテンツビジネスにまつわる者として、作品発表と、その受け取られ方、そして、そこからのビジネス展開が早すぎると炎上してしまう。私たちのようなメディアはスクープやニュース的な記事のスピードというのは非常に重要ですが、ビジネス展開する際のタイミングは本当にセンシティブなのだと思い知らされました。

▼5位
目的から導き出す「逆算」の思考法【連載】青木真也の物語の作り方〜ライフ・イズ・コンテンツ(1)

「FINDERSに総合格闘家の連載が始まる!?」と思われた読者も多かったかもしれませんが、まさに「青木節」としか言いようがない、異色の世界観と思考法を持つ青木真也さんの言葉は、普通に生きる人々にも訴えかけてくるものがあると思い、始めた連載の第1回でした。常識に囚われない、決して群れない、徹頭徹尾自分の頭で考え抜くこと。連載は終わりましたが、読むことで新たな驚きがあった記事たちだと思いました。

▼4位
妊娠8カ月の夫のお腹に、妻がキス!? 赤ちゃんを待ちわびるトランスジェンダーカップルにSNS上で祝福の声

日本ではまだまだですが、徐々に差別と偏見に対して市民権を得始めているLGBTQといった(かつての)セクシャルマイノリティのカップルの、インパクト大の写真に驚いた人も多かったはず。アメリカでは、バイデン氏が新政権で運輸長官に同性愛者をカミングアウトしているブティジェッジ氏を起用するなど、皮膚の色、出自だけでなく、さまざまな多様性をアピールするアティチュードを見せていますが、日本でも、同性愛者の結婚など、認めてほしいものです。

▼3位
「最善の選択」ではなかったジョー・バイデンが「結果的に大正解」と言える理由【連載】幻想と創造の大国、アメリカ(20)

FINDERSの連載陣の中、多くの支持を受けているボストン在住の渡辺由佳里さんの「幻想と創造の大国、アメリカ」。昨年はコロナと共に、アメリカ大統領選が連日ニュースになり、日本人もトランプとバイデンの動向に釘付けになりました。結果はバイデンの勝利となりましたが、現地でのバイデンの受け止められ方はどんなものであったのか、トップ写真がバイデンとの2ショット写真であるほど、アメリカ選挙に造詣が深く、実際に演説にも足を運んでいる渡辺さんだからこそ書けるバイデン評となっています。

▼2位
「ビジネスとクリエイティブ」の最適な融合を目指して。クリエイティブスタジオ「Whatever」のつくり方【前編】

まさにFINDERSがローンチから標榜してきた「クリエイティブ×ビジネス」を体現する会社にインタビューすることができた!という感慨があります。さまざまなジャンルのトップクラスの人材が集まり、「Whatever=なんでも」作ることができる。湧いてきたアイデアをスピード感を持ってモックを作り、実装まで最速で到達する。しかも国をまたいでグローバルに事業を展開している。なんてカッコイイクリエイティブスタジオなんでしょう!今後もWhateverが世に出す作品をチェックです。

▼1位
“ハエの力”で人類を救う昆虫テック企業の挑戦 流郷綾乃(ムスカCEO)【連載】テック×カルチャー 異能なる星々(12)

映えある2020年のFINDERS1位を獲得したのは、将来の食糧難を見据えて、期待が高まるフードテック分野のスタートアップ「ムスカ」。しかし、人工肉や昆虫食ではなく、旧ソ連由来のハエの技術を利用した昆虫テクノロジー企業です。代表を務める流郷綾乃さんです。イエバエ”の卵は8時間程度で孵化し、生まれた幼虫は体全体で栄養素を吸収して、1週間で有機物を分解。この分解されたふんが良質な肥料になる。また、育った幼虫自体も家畜の飼料として丸ごと活用し、100パーセントのバイオマスリサイクルシステムを提供するという画期的なビジネスモデルです。ハエという生物資源を活用することで食糧危機と環境問題の両方に立ち向かいながら、持続可能な社会のあり方を問いかけていく。人類全体のサスティナブルな意識変革につながる、壮大な取り組みを行っています。その視座と志の高さ、ビジョンのユニークさで1位に選出させていただきました。


以上、編集長が私的に選ぶ2020年ベスト10でした。今年も昨年以上に共感・支持を得られる記事作りに邁進していきますので、FINDERSをよろしくお願い申し上げます!