CULTURE | 2019/12/19

英語学習に使える!TOEIC690点でも(そこそこ)聴ける、クリエイティブな海外podcast5選

英語のヒアリングが不安ながらも、最新の起業アイデアやカルチャーの話が知りたくて、ときどき海外のpodcastを聴いている...

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英語のヒアリングが不安ながらも、最新の起業アイデアやカルチャーの話が知りたくて、ときどき海外のpodcastを聴いている。

「聴いている」と言いながら、ほとんど何言ってるか分からない時もある。恥ずかしながら……一昨年受けたTOEICの成績は690点だった。微妙である。明らかに大学合格時より私の英語能力は下がっている。ただ、そんな私の英語力でもそこそこ聞き取れて、かつクリエイティブで面白いpodcastを5つ選んでみた。音声で英語学習をしたい、何かしら海外のpodcastを聴いてみたい方はぜひ参考にしてみてほしい。

文:平田提

大きく伸びるアメリカのpodcast市場。良質な番組の増加

アメリカでのpodcastの普及率と広告市場の伸びは大きい。

アメリカ国民の7割はpodcastを認知しており、22%が毎週何かしらのpodcast番組を聴いていて、その時間はなんと毎週平均して6時間27分。このあたりは音楽家向け教育メディアのMUSICOOMPHがまとめたインフォグラフィックが分かりやすい。

アメリカでは2019年のpodcastの広告収入は前年から2億ドル近く伸びる6億8000万ドルと予想されている。

Spotifyがpodcast配信アプリのAnchorや、パブリッシャーのGimlet mediaを買収するなど、聴き放題サービスにとっても楽曲使用料を払わずともよいpodcastは魅力のコンテンツになっている。podcastの配信と広告代理業も行うMidrollによれば、61%のリスナーが視聴後にその広告の商品を購入しているという。

市場の成長に伴い、先述のGimlet mediaやNPR(アメリカの非営利ラジオネットワーク National Public Radio)など制作・配信を行うスタジオも増え、良質な番組が増えているようだ。

日本でもVoicyなどの音声メディアや、Audibleなどのオーディオブックも徐々に認知度が上がってきているし、団体・個人問わず面白い日本のpodcastも多い。

ただここでは英語学習の観点から、海外の先進的な起業アイデアや、podcastのクリエイティブの工夫など、刺激が多い番組を中心に紹介したい。また、私の英語力でもそこそこ聴けたものを★1つ~5つの5段階で、ヒアリング難易度を示してみた(あくまで主観なので、参考程度にしてほしい)。

①TED Talks Daily

▽概要
「広める価値のあるアイデア」をオンラインに投稿し続ける「TED」。多くの人のスピーチをpodcastで聴くことができる。いくつかの番組に別れているのでチェックしてみてほしいが、おすすめはNPRが配信する「TED TALKS DAILY」。その名の通り、TEDトークを毎日アップするpodcast。

▽英語難易度 
★~★★★
トークする人によって聞き取りやすさは変わるが、私のレベルでも聴き取れるものもあった。

▽おすすめポイント
1.短いスピーチであること
短いものだと5分、だいたいが20分以内で終わるのでハードルがやや低い。例えば生物学者のProsanta Chakrabarty氏が進化論について話す回は5分で終わる。

また比較的分かりやすく単語を区切って話してくれているスピーカーが多い。TOEICのテストでもいろいろな訛りの人がしゃべるものがあるが、ヒアリング能力を鍛えるのには良いのでは。

2.答え合わせができる
例えば先程の進化論の話は動画もあり、英語・日本語・その他の字幕で閲覧できる。まずは興味のある短い回を何も見ずに聴いてみて、後から動画で答え合わせができるのがTED Talkの良い点。

②The Wild

▽概要
生物学者のChris Morgan氏がその研究・調査の過程での話を展開する。朗読調で過去の経験を語ったり、関連する人にインタビューしたり。NPRで配信され、現在シーズン2まで出ている。

▽英語難易度 
★★~★★★
エピソードによっても変わるが、比較的聞き取りやすい英語だと思う。

▽おすすめポイント
1.テーマが絞られている
話題が「熊を捕まえる」「ペンギンを待つ」など明確なので、分からない単語があっても聴き進めやすかったり、想像がつきやすかったりする。おすすめはカナディアンロッキーでグリズリーをキャッチ・アンド・リリースした話。恐怖でお漏らししたらしきエピソードなんかもある。

2.エンタメとしても面白い
生物学者がどんな調査をしているのかが知れるのが面白い。ときに自然の中での音も出てくるし、アクション映画のような緊迫感を演出する音楽が入ってきて臨場感もある。カントリー調のアコギがインサートされるのだが、西部劇を思い出す感じがしていい。

③Stuff You Should Know(SYSK)

▽概要
あらゆる「これってどういうこと?」を解説するメディア「HowStuffWorks」(Stuff Media)が配信するpodcast。Josh Clark氏とChuck Bryant氏が「バーコードって何?」「ギグ・エコノミーって何?」など時事ネタだけでなく、健康や科学、社会、歴史など幅広いジャンルの疑問について解説。iTunesのポッドキャストランキングでもよくTop10入りする人気番組で、毎月100万単位でダウンロードされている。

▽英語難易度 
★★★~★★★★
結構会話のスピードが速いので、ときどき理解が追いつかない部分がある。ただ解説の際は単語を区切って読んでくれるので、そこは聴き取りやすい。

▽おすすめポイント
1.短い「Short Stuff」がある
60分超えの長い回もあるが、「Short Stuff」と銘打たれた短い回もある。例えば「フィッシュ・アンド・チップス(フレンチプライ)」の回は14分。フィッシュアンドチップスの店のことを「chippy」と呼ぶらしい、など発見があった。ただ2人が何で笑っているのかが分からない……。言い方? など疑問はあるが短いので割と聴きやすい。

2.英語事典・辞典としての機能もある
「これってどういうこと?」を解説するpodcastなので、事象や言葉の意味を理解する事典・辞典としての機能もありそう。例えば以下の回など。「環境心理学ってどういこと?(How Environmental Psychology Works)」や、「貨幣の働き(SYSK Selects: How Currency Works)」

④The Entrepreneurs

▽概要
世界のカルチャーを紹介する雑誌・メディアの「Monocle」が配信元。「The Entrepreneurs」はタイトル通り、スタートアップのファウンダーに起業の経緯や背景の思いなどを聞いていくpodcastで、Daniel Bach氏がホストを務める。

▽英語難易度
★★~★★★★
対話よりもインタビュー寄りなので、インタビュイーの訛りや話すスピードによって難易度は変わる。少し早口の人が多い印象。説明文を読んで興味のあるところから聴いてみるのがいいかもしれない。

▽おすすめポイント
1.短いエピソードが多い
10分以内の短いエピソードも多い。

例えばSNOW PEAKの代表取締役副社長・CDOの山井梨沙氏の話は9分。山井さんのおじいさんがビジネスを始めた経緯や、ユーザーとのキャンピングイベントの話、ファミリービジネスの良さ・大変さの話などが語られている。 

2.面白い起業アイデアを知ることができる
『マダガスカル』のイラストレーターによるイラストで子どもが語彙を楽しく覚えられる教材を開発する「Mrs Wordsmith」。

野菜やフルーツの粉を水に溶かして飲むプロダクトの「Waterdrop」教科書サブスクリプションサービスを提供する「Perlego」など、世界の面白いスタートアップのアイデアを知ることができる。

⑤Heavyweight

▽概要
作家でpodcastのプロデューサーでもある、Jonathan Goldstein氏がホストで、Gimlet mediaが配信している。毎回、Jonathanがゲストの過去に半ばセラピストのように迫っていく。謎の女性に「ギムレットメディアで番組を始めたんだ」と電話するも会話が全く噛み合わないオープニングが音楽も相まってなんかオシャレ。ナレーションと会話で進行する。

▽英語難易度 
★★★★★
会話のテンポが速い。あと日常会話が多いためか、省略が多い気がするので単語が分かりづらいところも。あと毎回40分ぐらいと長い。

▽おすすめポイント
1.誰もが共感できる、過去の傷がテーマ
無名の人に話を聞いていくものの、それぞれ過去があってこう困っていて……というのは万国共通と分かり、共感できる。例えばシーズン1の第1回「Buzz」。「Buzz」とはホストのJonathanの80歳になる父のことで、過去の事件をきっかけに何十年も会っていない85歳の兄と仲直りできないかを探っていく。最初は噛み合わないものの、最終的に2人は邂逅し、思い出話から始めていく。ぶっちゃけほとんど分からないパートもあったのだが、終盤は感動した。

2.音楽や取材方法の面白さ
電話やオンライン通話の取材がメインっぽいのだが、高齢の登場人物も多く、どうやって収録しているかがとても気になる。車で移動中の音や食卓での会話なども多くて、アメリカンニューシネマやフェイクドキュメンタリータッチの映画を体験している感覚になって面白い。

コンテンツに加え、podcastならではのクリエイティブの面白さも

今回は難易度別にpodcastを紹介してみた。興味のあるジャンルを試しに聴いてみると、日頃の仕事に何らかの刺激があるかもしれない。英語学習の一助にもなれば幸い。

それ以外にも、podcast特有のクリエイティブにもヒントがある気がしている。

例えば「Heavy Weight」はWebサイト作成サービス「Squarespace」やWebサイトの設計書・ワイヤーフレームサービス「Wireframe」など、Web系のスポンサーが多い。Squarespaceの約2分のCMでは、変なドメインのアイデアを出す掛け合いがあったり「プロモコード“Heavyweight”を入力すると10%オフ」というアナウンスもある。まだまだ日本のpodcastは裾野から広げていく段階だと思うが、こういう広告のアイデアもあるんだ、と参考になった。