EVENT | 2021/06/22

寿司が仮想通貨で買える時代に!? 寿司職人の包丁さばきが今話題のデジタル資産「NFT」に

「鮨 渡利(渋谷区渋谷、店主・渡邉哲也)」は5月、江戸前寿司の包丁さばきなどをデジタル資産「NFT」化した「SUSHI ...

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飲食店を中心とした仮想通貨のコミュニティ作り、顔を合わせて話せる場所の復活へ

――鮨 渡利さんと大将の渡邉さんの話に持っていきたいんですけど、渡邊さんは店舗を構える前にYouTubeの配信を始め、それがすごい人気で、2020年10月に実店舗、鮨 渡利を開店という流れの非常に珍しいお寿司屋さんです。ですので、デジタルとの相性の良さというのが窺えるんですけど、今回のプロジェクトで渡利さんがジョインするというのは、どちらからの呼びかけだったんでしょうか?

仮想NISHI:こちら側からですね。YouTubeをやっているので大将のITリテラシーが高く、すぐこちらの意図を理解してくれました。

徳永:僕は元々、渡利のECとかを手伝っていたんです。3月28日にSUSHI決済というイベントがそもそもあったんですよ。SUSHIのハーフアニバーサリーを記念して、SUSHI決済で寿司を食べるイベントをやってみたんです。それが結構反響があったということで、僕が銀座渡利のECのプロデュースをする中で、世界中の仮想通貨ユーザーやファンを引き込めるんじゃないかなという意図があったんです。それがいい感触を掴んだので、このコミュニティを盛り上げたいという想いがありました。

同時に、仮想通貨のユーザーには、昔NEM BARとかMONA BARっていう、ファン同士が集まる場所があったんですよ。ただ仮想通貨には冬の時代っていうのがあって、そういう店が全部なくなってしまった。そこで、もう一回界隈の人たちが集まれるような場所を作ろうと思いました。

特に高級寿司のカウンターっていうのは7席でL字型になっているので、少ない人数ですけど顔を見ながら会話ができる。そういう上質なオフ会の場みたいなのを提供したらいいなと思ったんです。コミュニティに対して何か自分にできることをしたいという思いで、多くの人々に楽しんでいただけるようなコンテンツを寿司屋から提供できたらなという思いがありました。

仮想NISHI:店舗限定NFTをもらうためには、SUSHIという日本に上場していないトークンをMetaMask(スマホアプリとしても利用できる仮想通貨ウェブウォレット)に入れて、それをお店に送金しないといけないんですね。ということはSUSHI決済をできる方は、ある程度のブロックチェーンリテラシーが必要なわけなんです。おそらくそれができる方は、ブロックチェーンや仮想通貨の話が十分できる方だと私は考えていました。ある程度来ているお客さんたちの質を保った状態で、仮想通貨のファンが集まれる場所を東京に作りたかったという思いがあり、私は渡利を応援しています。

―― SUSHI TOP SHOTの中身についてより詳しくお伺いしたいんですけれども、まずウォレットにお金を入れて、仮想通貨でSUSHI決済を行って、その後は現実的にはどういうユーザーの動きになるんでしょうか?

徳永:まずSUSHIというのは仮想通貨です。僕らが作っているものじゃなくて、すでに流通しているものなんですね。それを実店舗で実際に使っていただいて、SUSHI決済をしていただいた方に関しては、今年の6月14日から来店者用のNFTを配っています。

それとはまた別で、SUSHI TOP SHOTは5月22日に第一弾を販売していて完売しています。

仮想NISHI:まず、OpenSeaという海外のNFT取引所で、SUSHI TOP SHOTを売りました。それの色違いのレアなSUSHI TOP SHOT、つまり限定SUSHI TOP SHOTを来店された方にプレゼントしています。同時に、銀座渡利会員券NFTっていうものを合わせてプレゼントします。SUSHI決済をした来店者にはその2枚をプレゼントするという形になっていまして、この2つとも時期毎に寿司ネタを変えています。種類を変えてコンプリート欲を喚起し、来店リピーターを増やそうとしています。毎月違うSUSHI TOP SHOTを配布することで集めるユーザーも毎月来店が楽しみになるわけですね。

―― それはもらった人はスマホとかで分かるわけですか? 

仮想NISHI:支払いをしたウォレットにNFTが直接届きます。決済の際にアドレスをいただくので、そこに送付いたします。ウォレットの中を見れば入っているかどうかはすぐに確認することができます。

徳永:基本的にSUSHI TOP SHOT はウォレットで管理するものと考えて下さい。それをOpenSeaなどのプラットフォームを通して見ることができます

―― 1回目で完売ということでしたけど、販売規模はどうでしたか? 客単価など。

徳永:初版は40枚発行しています。5種類を8枚ですね。これに関しては値段は0.02イーサ、約500円と考えて下さい。約500円で販売して、これが1時間で売れたという感じです。

しかし、安く売るということにも狙いがありました。まず最初にお話ししたように、コミュニティに貢献したいという気持ちが根底にあったので、あんまりここで儲けようとしていません。

それよりもむしろ、多くの人が手に入れやすいようなものを作り出して、それを気軽に贈り合ったりだとか、何かの支払いにそれを配ることによって、配った人同士のコミュニティを形成したり、渡利という寿司屋の空間をハブにして人と人とのつながりを生みたいという考えがあったんです。

なので、多くのNFTが現在、写真1枚撮って1イーサ、約25万円だったりとかそういう値段で設定している中で、逆にその裏を行くような低価格な値段で設定させていただいております。

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