島を訪れるすべての人と、島に生きる人々をつなぐために
2025年6月、宮古島発の新たな地域メディア「みゃーくずみ」が本格始動した。メディア名の「みゃーくずみ」とは、宮古島の方言で「宮古島最高!」を意味する言葉。その名の通り、ただの観光ガイドでは終わらない、島の風景、文化、暮らし、そして課題までを丁寧に掘り下げて伝える本メディアは、従来の観光案内とは一線を画す。
立ち上げたのは、2014年に宮古島へ移住した大久和紀氏。飲食やブライダル業界など多様な経歴を持ち、国内外を飛び回ってきた大久氏が、宮古島に心から魅せられ、移住を決意したのは、観光地としての華やかさ以上に、そこで暮らす人々の温かさと、自然に息づく文化の深さに触れたからだという。


「みゃーくずみ」の特徴は、ビーチやグルメ、宿泊といった一般的な観光情報だけではなく、島の社会課題にも向き合っている点にある。過剰観光による自然環境への影響、急速な開発に伴う景観の変化、地元住民の暮らしへの影響など、観光客が見落としがちな問題も丁寧に取り上げていく。
その背景には、観光がもたらす恩恵だけでなく、課題と向き合う視点こそが “ほんとうの宮古島” を知る入口になるという大久氏の想いがある。メディアを通して、旅人には「マナーと敬意をもって訪れる」きっかけを、そして島民には「共に未来を考える場」を提供することを目指すという。
なぜ、私は「みゃーくずみ」を作ったのか
2014年の夏、私は初めて宮古島の地に足を踏み入れました。
それまで、仕事の関係もあり、日本国内で1000回以上、海外でもヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、東南アジアなど200回以上のフライトを経験し、さまざまな土地を見てきました。けれど、宮古島はどこよりも“心がほどける”場所でした。
空港を出た瞬間に感じた、やわらかく流れる風。澄み切った空と、どこまでも続く海の青さ。そして、島の人々のあたたかさ。
言葉では言い尽くせないほどの感動が、ほんの数日の滞在で胸に深く刻まれました。「ここに、住みたい」――。その想いに迷いはありませんでした。
同年8月、私は本土の仕事を息子に任せ、暮らしを整理して宮古島へと移住しました。
移住後は、島での生活を楽しむと同時に、島の抱える現実にも次第に目が向くようになります。観光による発展の影で変わっていく島の風景、地元の若者が都市部に流出していく現状、伝統文化の担い手不足、急速に進む開発と、それによる自然破壊の問題。
島の外から来た人間として、ただ観光客気分でこの土地を享受するのではなく、「島に生かされている一人」として、何かできることはないかと考え始めました。
ー大久 和紀(酔いどれ親父の独り言)



グルメや観光だけでなく、文化や暮らしを支える人々の声にも耳を傾けながら、島を“楽しむ”から“共に守る”存在へと導く。島の奥深い魅力と課題を未来へ伝える、新時代のローカルメディアとして今後の活動に期待したい。
みゃーくずみ 公式サイト
https://myakuzumi.com/
Instagram
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