風景をよみとき、風土とつながる。移動そのものが癒しとなる小海線の2日間
ローカル線に揺られながら、日常から静かに離れていく。そんな旅の価値をあらためて問い直す取り組みが、長野県東部を走る小海線で始まる。
「沿線まるごとホテルプロジェクト」 を手がける 沿線まるごと株式会社 と 東日本旅客鉄道株式会社 長野支社 は、2026年2月、佐久平駅から小海駅までを舞台にしたモニターツアー 「小海線Healing Journey」 を初開催する。
本ツアーが掲げるテーマは、「静けさ」 「自然」 「地域との関わり」 である。観光地を効率よく巡る旅とは異なり、環境負荷の少ない鉄道を使い、あえて時間をかけて秘境へ向かう。その移動のプロセスそのものに価値を見出す点が特徴だ。都市部で高まりつつあるエシカル志向やネイチャー志向の旅に応える試みでもある。
旅は佐久平駅から始まる。中込駅以降は、列車に同乗する中込駅長によるリアルタイム音声ガイドが展開され、車窓に流れる風景とともに、小海線の歴史や沿線の暮らしが語られる。解説は事前収録ではなく、その瞬間の景色に寄り添うかたちで届けられるため、移ろう自然と地域の物語が立体的に立ち上がる。
小海駅到着後は、地域住民の案内による 「えき散歩」 が行われる。清流や川沿いの風景をたどりながら、観光地化されていない町の日常に触れていく時間だ。昼食には、築170年の古民家で営まれる 「四季の味 やまなか」 にて、地元の旬食材を生かした懐石料理が供される。土地の季節と人の手仕事を味わう、静かなひとときである。
宿泊は、松原湖のほとりに佇む全7室の小さな宿 「HOTEL MIYAM」 だ。かつての民宿をリノベーションした空間で、湖と森に囲まれた環境の中、自然の変化に身を委ねる時間が用意されている。夕刻には、全面結氷した松原湖を歩く氷上ウォーキングを体験し、夜は湖畔のレストランで信州の食材を生かしたディナーと星空観察を楽しむことができる。
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翌日は、湖畔の植物を使ったキャンドルづくりを通して、自然素材に触れながら自分自身と向き合う時間が設けられる。旅の締めくくりには、小海駅前で開催される 「冬のこうみワイン祭り」 に立ち寄り、地域の生産者や事業者と交流する機会も用意されている。訪問者が 「観る」 立場から一歩踏み込み、地域と関わり始めるきっかけをつくる構成だ。
本ツアーは単なる観光商品ではない。小海線沿線を一つの舞台と捉え、持続的なにぎわいと関係人口の創出を目指す実証的な試みである。静寂が守られた風土の中で過ごす2日間は、これからのローカル線と旅のあり方を示す提案となりそうだ。
「小海線Healing Journey」 申込フォーム
https://forms.gle/txcvw9qg5SqPKemaA
沿線まるごと社 公式ホームページ
https://marugotohotel-omeline.com/
「HOTEL MIYAM」 公式ホームページ
https://hotel-miyam.com/