地元建設会社代表の背中を押した観光データ
祖谷渓 のある徳島県三好市で建設業を営む 株式会社佐々木工業 は、三好市より 「祖谷渓キャンプ村」 の譲渡を受け、祖谷渓の滞在&体験型観光促進を目的としたグランピングリゾートの開発を進めている。
祖谷渓は、日本三大秘境の一つとして知られる自然豊かな地域で、かずら橋 や 大歩危小歩危 といった名所には、近年インバウンド観光客の姿も目立ち、テレビなどで取り上げられる機会も増えている。一方で、少子高齢化が進み過疎地という課題も抱えている。
そんな中、「観光客は増えているのに、地域の活性化には十分につながっていない。」 という疑問を持ちつつ、この地で長年建設業を営み日々の現場を通じて祖谷渓の魅力と課題の両方を見つめ続けてきた 株式会社佐々木工業 の代表 佐々木聡さん のもとに、三好市が保有していた閉鎖中の 「祖谷渓キャンプ村」 の譲渡話が届いた。
本業とは異なる宿泊業への挑戦に、当初は大きな迷いを感じていた佐々木さんだが、その背中を押したのが、三好市の観光データである。そのデータによると、なんと祖谷渓への来訪者の56.9%がリピーターであり、そのうち16.8%は10回以上訪れていることが分かった。
「一度魅力に触れた人が何度も足を運ぶ祖谷渓」。佐々木はさんこの特性を活かし、自然に最も近い環境で快適に過ごせるグランピングというスタイルを選択。日帰り観光が多い祖谷渓において、宿泊そのものを目的とした新しい選択肢を提示することで、名所巡りにとどまらない体験型の滞在を実現しようと考えた。
一方、観光来訪者の59.1%が50歳以上で占められており、10代は1.8%、20代は8.5%、30代は10.4%にとどまっており、観光地が持続的に発展するために欠かせない若い世代にも 「滞在」 を通じて深く関わってもらうため、スタイリッシュなイメージを持つグランピングに、祖谷渓ならではの 「おもてなしの心」 を重ねることを目指すという。
そしてこの 「おもてなしの心」 を支えるのが家族の存在だという。当初は反対していたものの、現在では地産地消を生かした料理や体験プログラムを考える妻、観光認知の弱点とされるSNS戦略に取り組む長女。それぞれが役割を担い、地域と観光客をつなぐ仕組みづくりにともに挑戦している。
今春4月に開業予定の施設名は 「IYA-KEI GLAMPING TOMORI」。祖谷渓の自然とともに、訪れる人の心に 「おもてなしの灯」 をともしたいという思いが込められている。日本のマチュピチュとも称される祖谷渓で始まるこの挑戦はまだはじまったばかりだ。
今後の展開に注目したい。
祖谷渓グランピング TOMORI
所在地:徳島県三好市池田町松尾松本525-1
開業:2026年4月25日(予定)
TOMORI公式サイト (予告編)
https://tomori-glamping.com/