不動産、営農型太陽光発電、AI、ウェルビーイング——一見農業とは縁遠い業界のプレイヤーが一堂に会し、"食と農"を軸に新しい事業のタネを探る。そんな官民共創型カンファレンス「ONE SUMMIT 2026 in 東京」が、2026年11月11日(水)10:30〜17:30、赤坂インターシティAIRで開催される。主催は一般社団法人ローカル・スタートアップ協会(LSA)で、2024年2月の設立以来、行政・スタートアップ・大企業・金融機関・大学など産官学金のプレイヤーをつなぐ場をつくってきた団体である。
第5回となる今回は、全国から約200名の参加が見込まれている。テーマは「CULTIVATING THE FUTURE」で、30以上のセッションと、100名を超える実践者による登壇が予定されている。
背景にあるのは、農業従事者の高齢化や気候変動による食料安全保障リスクの高まりだ。一方で「みどりの食料システム法」の推進やGX(グリーントランスフォーメーション)投資の加速により、日本の農林水産業はテクノロジーを活用した成長市場としての側面も強めている。
この変革期に必要とされるのが、地域発スタートアップの機動力と、大企業が持つ資金・技術・顧客基盤を掛け合わせる"協創"である。ONE SUMMITは、単なる課題共有にとどまらず、実証実験(PoC)や新規事業を生み出すエコシステムの構築を目指す場として位置づけられている。
AI・脱炭素からまちづくりまで、"一次産業"を軸にした30超のセッション構成
当日のプログラムは、大きく二つの軸で構成される。一つは「テクノロジー×一次産業」で、AI、フードテック、脱炭素、営農型太陽光発電、ヘルスケアなど、先端技術と農林水産業を掛け合わせたテーマを扱う。もう一つは「まちづくり×一次産業」で、地域経営、不動産、ウェルビーイング、組織開発など、地域社会と一次産業の関係を扱うテーマである。
パネルセッションに加え、少人数制のワークショップ形式である「分科会」や、より実践的なテーマを深掘りする「研究会」といった形式も用意されている。議論を聞くだけでなく、参加者自身が手を動かしながら事業のアイデアを磨ける構成になっている点が特徴だ。
ONE SUMMITの特徴は、都市部と地域、異業種のプレイヤーが肩書きや業種の垣根を超えて対話できる点にある。行政担当者と一次産業の従事者、スタートアップと大企業、金融機関が同じテーブルにつくことで、単独の企業や自治体だけでは生まれにくい事業連携のきっかけが生まれやすい設計になっている。
ONE SUMMITは今回が初開催ではない。2024年8月の「ONE SUMMIT 2024 in 宮崎」を皮切りに、2025年1月「ONE SUMMIT 2025 in 東京」、2025年10月「ONE SUMMIT 2025 Autumn」、2026年5月「ONE SUMMIT 2026 in 新潟」と開催を重ね、累計参加者はすでに750名を超えている。今回の東京開催は、その5回目にあたる。
主宰であるLSA代表理事の斎藤潤一氏は、「食と農のウェルビーイングな世界をつくる」ことを協会が目指す姿として掲げている。斎藤氏は今回のメッセージの中で、世界情勢に左右されない「重油に頼らない一次産業」をどう実装するかが、日本の食料安全保障と地域経済の両方を左右する課題だと指摘しており、ONE SUMMITを議論で終わらせず実装につなげるための"協創の土壌"と位置づけている。
LSAは今後、単発のイベントにとどまらず、現場の声を政策提言につなげる活動も見据えているという。農業や地域経済の未来を自分の仕事や事業とどう重ね合わせられるか、異業種の実践者たちが東京で交わす対話の中に、そのヒントを探しに行くのも一つの選択肢だろう。
ONE SUMMIT 2026 in 東京
日時:2026年11月11日(水)10:30〜17:30
会場:赤坂インターシティAIR
テーマ:CULTIVATING THE FUTURE
来場者見込:200名
主催:一般社団法人ローカル・スタートアップ協会
公式サイト
https://2026-1111-one-summit.peatix.com