AI前提時代はすでに始まっている。ビジネスから開発・製造まで5つの展示会で現在地を探る
生成AIやAIエージェントが急速に進化し、AI活用は 「何ができるのか」 を模索する段階から、実際のビジネスや業務に組み込む段階へ移りつつある。
Interop Tokyo など情報通信分野の展示会・カンファレンスを手掛けるナノオプト・メディアは、2026年9月3日(木)・4日(金)の2日間、東京都立産業貿易センター浜松町館で、AIやDXをテーマとする5つの専門展示会を同時開催する。
5Fでは 「AI Commerce EXPO 2026」 「SNS運用戦略Expo 2026」 を開催。4Fでは 「DXシステム開発 Expo 2026」 「ものづくりDX Expo 2026」 に加え、新設の 「AI Innovation Tokyo 2026」 が開催される。
テーマはECやSNSからシステム開発、製造、生成AI、AIエージェントまで幅広い。しかし5展に共通するのは、AIを単なる業務効率化ツールではなく、企業活動そのものを変える存在として捉えていることだ。
ECでは、AIエージェントが消費者に代わって商品を探し、比較し、購入まで行う 「エージェンティックコマース」 が現実味を増している。企業側でもAIを使った接客、カスタマーサポート、需要予測、価格最適化などが実用段階へ入っている。
SNS運用でもAIによるコンテンツ制作やデータ分析が一般化する一方、アルゴリズムの変化、著作権や肖像権、炎上対策、コンテンツの差別化など、新たな課題が生まれている。
さらにシステム開発や製造の現場では、AIを前提に業務や事業そのものを変革するAXが進展。AIは人の作業を補助するだけでなく、企業の意思決定や現場の判断を支える基盤へと役割を広げ始めている。
Google Cloud、AWS、Shopify、ダイハツらが登壇。AIを 「実装する」 ための実践知が集まる
会場では、各領域の第一線でAIやDXに取り組む企業・専門家によるセミナーやワークショップが展開される。
「AI Commerce EXPO 2026」 「SNS運用戦略Expo 2026」 では約60の専門セミナーを予定。Google Cloud JapanのAIスペシャリスト、岩渕勇太氏は、Geminiによって加速するエージェンティックコマースと顧客体験、小売現場の自律化について講演する。
Shopify Japanのカントリーマネージャー、馬場道生氏は、ShopifyのグローバルデータからAI前提時代の購買行動とEC運営を読み解く。
SNS領域では、タニタ公式X担当者とコミチCMOの山本隆博氏による企業SNSの 「中の人」 をテーマとしたセッションや、GMOサイン公式Xの担当者によるAI時代の企業公式アカウントとアルゴリズムをテーマにした講演も予定されている。このほか楽天グループ、ユナイテッドアローズ×パルコ、味の素、UUUMなども登壇する予定だ。
4Fの3展でも、AWS、Google Cloud、ダイハツ工業、AI駆動開発協会 (AIDDA) などが登壇する。
AWSはAIによる開発者体験の革新、Google CloudはGeminiを使ったAIエージェントの開発・デプロイ・運用をテーマに講演。ダイハツ工業は 「やらされDX」 から 「自走するDX」 への転換について実践事例を紹介する。
AI駆動開発協会 (AIDDA) 代表理事の田中淳介氏による講演テーマは 「ClaudeをAI社員として雇いませんか?」 。AIをツールとして利用するだけではなく、人とともに仕事を進める存在として捉える視点も提示される。
AIエージェントを 「見る」 だけではない。相談、ワークショップ、デモで実際に体験する
5展の特徴は、講演を聞くだけのイベントではなく、AIやDXを実際の業務へ落とし込むための体験や対話の場が用意されている点にもある。
5Fでは約50社が出展し、コマース領域の 「探される・作る・売る・伸ばす・守る」 という各フェーズを支援するソリューションから、SNS運用・マーケティングを支援する分析ツールやコンサルティングまでが集結する。
LINEヤフー、TikTok Shop、Shopify Japanの担当者に実務上の悩みを直接相談できる 「EC & SNS 実践相談コーナー」 も設けられるほか、プロフェッショナルから60分で実践的なAI活用を学ぶ体験型ワークショップも実施される。
一方4Fでは、企業活動を支える領域を 「土台」 「現場」 「脳」 という3つの視点から捉える。
「DXシステム開発 Expo」 が基幹システムやサプライチェーンなど企業情報を支える 「土台」 、 「ものづくりDX Expo」 が設計・開発・製造をデジタルでつなぐ 「現場」 、そして新設の 「AI Innovation Tokyo」 が生成AIやAIエージェントによって判断・予測・自動化を担う 「脳」 という位置付けだ。
特設の体験型AIゾーンでは、AIエージェントからフィジカルAIまで最先端技術を体験できるデモンストレーションも予定されている。AIが開発や製造の現場でどのように人を支援し、自動化や高度化につながっていくのかを実際に確かめられる場となる。
EC、SNS、システム開発、製造と聞けば、それぞれ別のテーマに見える。しかしAIエージェントが購買を代行し、コンテンツを作り、ソフトウェア開発に参加し、企業の判断や製造現場まで支援するようになれば、その境界は次第に薄れていく。
浜松町館の4Fと5Fを使って同時開催される5つの展示会は、AIが個別の 「便利なツール」 から、企業活動を横断して動かす存在へ変わりつつある現在地をまとめて見る機会となりそうだ。
AI Commerce EXPO 2026 / SNS運用戦略Expo 2026
https://f2ff.jp/event/commerce-sns
DXシステム開発 Expo 2026 /ものづくりDX Expo 2026 / AI Innovation Tokyo 2026
https://f2ff.jp/event/dx-ai