スポーツ選手の比較によぎる「思い出補正」
あとは、「史上最強の左バッターは誰か?」という企画を2020年2月にgooランキングが行ったが、トップ10はこうなっている。
1位:王貞治
2位:イチロー
3位:ランディ・バース
4位:松井秀喜
5位:大谷翔平
6位:前田智徳
7位:掛布雅之
8位:柳田悠岐
9位:ラルフ・ブライアント
10位:阿部慎之助
これを見ると王は当然と思うが、「なんで6位に前田?」「今年だったら大谷は松井よりも上では?」「ブライアントよりもクロマティだろ!」などに加え、「なぜ、張本勲がトップ10にも入っていないのだ?」という疑問が湧いてきてしまう。
しかし、こうした意見を言っても「スポーツというものは進化するものである。よって、過去の名選手よりも今の名選手の方が圧倒的に能力は高い。『思い出補正』である」といった冷静な意見も出る。実際、真の実力を考えると今の選手の方が過去のレジェンド選手よりも上かもしれない。しかし、アスリートの評価というものは、その時々の相対評価で捉えるべきなのだろう。ペレがいくらすごいといっても、ロナウド(ブラジル)やマラドーナ(アルゼンチン)ほどではないかもしれない。そしてロナウドとマラドーナにしても、C.ロナウド(ポルトガル)やメッシ(アルゼンチン)ほどではないかもしれない。
本稿では、どうでもいいことで議論する人々を冷めた目で見てきたが、こうして冷静に振り返ってみると、何やら少年時代のほのぼのとした議論のようにも思えてきたし、夢に溢れている。スマンスマン、貴殿らのやり取りは貴重なコミュニケーションだったと教えてもらった。