CULTURE | 2025/07/17

「本との偶然の出会い」 を通じて新たな公共空間を創造―批評家・宇野常寛プロデュース 「宇野書店」 が開店

オフィスビルを公共空間化する 「宇野書店」 が東京・大塚に誕生

FINDERS編集部

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本を売ることがゴールではない、新しい公共空間モデル

ハード・ソフトの両面で、「居心地の良い街づくり」 の実現を目指す東邦レオ株式会社は、東京・大塚にある同社の東京支社ビル2階に、批評家・宇野常寛がプロデュースする 「宇野書店」 を8月1日(金)にオープンする。

「宇野書店」 に足を運ぶ最大の魅力──すなわち 「偶然の出会い」 をコンセプトに据え、オンライン書店では得がたい体験価値を空間設計から丁寧に演出、人文・社会・サブカルチャーに特化した約6,000冊の選書すべてを宇野自身が行うという徹底ぶりだ。

店内は人工芝が敷かれ、来訪者は靴を脱いでくつろぎながら読書やPC作業を行うことができる。まるで屋内の公園のような空間であり、知的好奇心を刺激しながらも、心身を緩める仕掛けがなされている。今後は、トークイベントや古本市といった多様な企画も定期的に開催予定で、街の文化的ハブとしての機能も担うという。

また、「宇野書店」 は単なる書籍販売を目的とせず、ビルの魅力向上や駅前エリアの価値向上を見据えた空間づくりを目指しており、オフィスビルの中に誰でも立ち寄れる 「街の本屋」 のような存在となり、働く人や住む人の心を動かし、その地域に新たな魅力をもたらすという発想だという。

プロデュースを務める宇野も、この取り組みを 「私的に公共空間をつくる作庭の実践」 と語っている。著書 「庭の話」(講談社)で提唱していた思想を、都市空間において実現させた形だ。「こんな本屋が近所にあったらいいのに」 と誰もが思える場所を目指し、独自の選書とイベントで知の偶然性を楽しむ空間が、都市生活者の知的生活に新たなリズムをもたらすことになるかもしれない。

今後の動向に注目したい。


宇野書店
所在地:東京都豊島区北大塚1-15-5 東邦レオ東京支社ビル2階
オープン日:2025年8月1日(金)
営業時間:平日10:00~21:00、土日祝12:00~20:00 (不定休)
フロア面積:150㎡
書籍数:約6,000冊
問い合わせ:03-5907-5500 (東邦レオ 東京支社)

オープニングイベント
日時:8月1日(金) 18:30〜21:00
内容:宇野常寛トークセッション 「都市と人生に、いま必要な本屋と本と『言葉』の話」
ゲスト:内沼晋太郎(NUMABOOKS代表)、篠田真貴子(エール株式会社取締役)、三宅香帆(文芸評論家)
参加費:2,000円 (税込)

申込 (Peatix)
https://peatix.com/event/4470996/view?k=eb6370e8c34183461e5e1edd50547a743c221a0f