たとえ無症状でもPCR検査は無料で受けられる
「一致したキーの数」のが「1」以上だった場合、次にどうすればいいか。PCR検査を希望する人は、自分の住む自治体の「帰国者・接触者相談センター」を調べて電話し、その旨を伝えよう。
COCOAのリリース当初は通知があっても自費でPCR検査を受けた人がいたようだが、8月21日に厚労省が通達を出したことにより、COCOAからの通知があって希望する人は全員無料(※検査を受ける病院・クリニックの初診料などはかかる)で受けられるようになっている。
ここで1つ注意が必要なのが、厚労省のCOCOAに関するQ&Aページの問4-4「陽性者との接触があったようなプッシュ通知が表示されましたが、接触確認アプリを開いて陽性者との接触を確認すると「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されます。どちらが正しいですか。」の表記だ。このページの回答によると、厚労省のサポートデスク(appsupport@cov19.mhlw.go.jp)にメールしてほしいとのことだが、これはあくまで「アプリの不具合報告」でしかなく「PCR検査を受ける・受けないなど、自身がどうすれば良いかの相談窓口ではない」ことに注意が必要だ。
メールを送るとどんな返答があるかについては、インターネットプラス研究所所長の澤田翔氏がダイヤモンド・オンラインに寄稿した記事「【実録】コロナ接触確認アプリ「COCOA」から接触通知が!見えてきた課題とは」に記されているので興味のある読者は読んでみてほしい。
筆者がこの点を9月14日に厚労省の新型コロナウイルス対策本部に電話して問い合わせたところ、担当者は不具合については「ユーザーによって状況が異なるため、現在状況を確認中です。必要なら修正しますし、随時バージョンアップも行っています」としたうえで「症状がない場合でも、そして陽性者と接触した心当たりがなくとも、検査は受けられます。COCOA上での接触が確認できなくとも、接触があった時と同様のフローで行動を判断して下さい」ということだった。
その後、9月24日にはiOS版にて「プッシュ通知・アプリの接触判定を適正化」したという、COCOAのバージョン1.1.4が配信された(Android版は28日に配信)。たが、10月に入っても各種メディアの記事やSNSでも筆者と同様の不具合が相次いで報告されているため、引き続き論を進める。
「通知があった時にどう行動すべきか」は、厚労省のCOCOAアプリ概要ページの画像に書かれている。
厚労省HPのCOCOAに関する概要ページより
要約すれば「自分の周囲で陽性者がいるかどうか、自身の体調はどうかなどを判断しつつ、必要があれば帰国者・接触者相談センターに相談してほしい」ということになるが、上のコメントにもあった通り「症状がない場合でも、陽性者と接触した心当たりがなくとも、検査は受けられる」のだ。無症状でも感染している可能性は考えられるし、検査を希望するのであれば「自分は心当たりもないし体調も問題ないし…」と尻込みする必要はないだろう。
帰国者・接触者相談センターに電話する際、問題となるのが「陽性者と接触したと思われる日がいつかわからない」ということである。COCOAアプリ上で正しく表示された場合はわかるのだが、iPhoneの設定画面のチェックだけではいつ接触したかということがわからないのだ。筆者が杉並区の帰国者・接触者相談センターに電話した際も、担当者が「iPhoneの方は接触日がいつかというのがわからない方がほとんどで…」と話していた。