CULTURE | 2020/07/31

「こんな時期でもホストはやりたい放題」は本当か。行政・保健所とも連携を始めた「夜の街」コロナ対策事情を手塚マキさんに訊く

手塚マキ氏(写真中央)とホストたち。写真は2019年にドイツのアパレルブランドと音楽家がコラボした「NOTON &tim...

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ホストクラブだけでなく、歌舞伎町のパブやバーも巻き込んだコロナ対策

手塚マキ氏

―― 専門家を招いた感染症対策の勉強会なども行っているそうですが、具体的にどんなことをしていますか?

手塚:新宿区長とのつながりを機に情報交換を行う連絡会ができたので、僕が理事を務める「歌舞伎町商店街振興組合」にも声をかけて、6月18日に開催した連絡会の立ち上げにつながりました。

感染症は人と人の接触が問題なので、より多くの業者に区長や保健所の言葉を届けた方がいいと考えました。そこで、ホストクラブに限らず、バーなどのほかの業種も巻き込んで勉強会を続けることになり、そこから週1ペースで2時間ずつ時間を設けて、すでに約10回開催しています。

ホストクラブを運営する企業はグループ内で飲食店などを経営していることも多く、夜の街の基幹産業になっているところがあって、数百人、数十億円の売上規模のところは彼らが飲み・遊ぶことで歌舞伎町の経済を回していると言っても過言ではありません。彼らが利用するバーなども巻き込んで、そこからまた感染症対策の意識が広がったらいいなと考えたんです。

さらに勉強会では区長や保健所の所長をはじめ、行政や感染症研究所、厚労省などからも参加いただき、クラスターとなる原因を真剣に探っていて、現時点では、若手ホストが共同生活を送る社員寮や、営業終了後の飲み会・カラオケなどでマスクを外した場面が真の感染源になっている可能性はないかなど、店以外での行動も取り沙汰されていますね。こちらは国立感染症研究所さんなどとも共同で実態調査を行う話も上がっています。

常に感染症の勉強ができる場を作り、国や行政に後ろ盾になってもらい、任意団体を作って、そこで講習を受けた人を認可することも考えています。

有識者の方の話を聞きながら、だんだん自分たちの店だけで考えても意味がないことがわかってきました。店の運営陣たちが一歩外に出て、行政と共に1人1人の意識を底上げする努力を地道にやっていくしかないと考えています。

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