使用できるアプリには要注意
だからといって、「万人向けの扱いやすいハイコスパタブレットですよ!」と言い切れないのがアプリの問題です。先程も記しましたが、「HUAWEI MatePad T 10s」はGoogleモバイルサービス(GMS)に対応していません。Googleが提供しているアプリ・サービスが使えません。
すなわち、Google PlayというAndroidのアプリストアが利用できないんです。
代わりにファーウェイは、HUAWEI AppGalleryというアプリストアを用意しています。検索すると数多くのアプリが表示されますが、インストールできるアプリは限られます。世界的にユーザーの多いアプリの一部は「利用不可」と表示され、または野良アプリ配布元となるAPK PureなどからAPK(Android Application Package)ファイルをダウンロードするようにと案内されます。
問題はこのAPK Pureなどの存在です。セキュリティホールが開きっぱなしの旧バージョンしか登録されていなかったり、無事インストールできてもGMSを使った課金システムを採用しているアプリは動かない。コードが改ざんされた危険なアプリが「HUAWEI MatePad T 10s」に入り込んでしまう可能性も否めません。
個人的には、米中貿易摩擦が生んだファーウェイとGoogleの決別は残念だと感じています。アメリカから国家安全保障を脅かす存在とされてしまい、Googleとの取引が禁じられてしまったファーウェイ、可愛そうだなとも思いました。しかしGoogle Playが使えないからといって、外部の野良アプリサイトに誘導する設計とするのはいかがなものでしょうか。
最初からインストールされているアプリを使う分には、いい端末です「HUAWEI MatePad T 10s」って。しかしいろいろなアプリをインストールしてカスタマイズしていくのであれば、MS-DOSや、Windowsの初期の頃からパソコンなどのデバイスを使い続け、数多のフリーウェアを体験して万が一の時の対策経験を持つ歴戦の勇者以外にはおすすめしにくいんですよね。