CULTURE | 2021/05/26

結婚、コロナ感染、聖火リレー、主演ドラマ……なぜ石原さとみは常に物議を醸す存在なのか【連載】テレビの窓から(7)

イラスト:IKUMA

木村隆志
コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者
「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎...

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「意識の高さ」が生む理解と誤解

石原が10代のときから何度か取材をしているが、当時から意識の高いタイプだった。

たとえば、あるドラマの制作発表会見で、3人の若手主演級女優が並び立っていたとき、石原だけは背筋がずっと伸びたままで、笑顔を絶やさず、質問者に体ごと向き合うような対応に終始。その完璧な対応を見たとき、「誠実に対応しよう」という気持ち以上に、「3人の若手女優を見比べられることが分かっていたのではないか」と思ってしまったのだ。

また、個別インタビューの時に徹底されていたのは、「思っていることを何とか伝えよう」という姿勢。「スマートに話す」というより、「言葉を口から発しながら気持ちを伝えていこう」という話し方であり、結果的にアウトプットにつなげる非凡な言語化能力も感じられた。

石原と同世代の主演級女優たちも、ほぼ取材したことがあるが、彼女以上に「どう伝えるか」「相手がどう思うか」を考えながら話す人はいなかった。さらに、ドラマの撮影現場でも、石原が監督やプロデューサーなどと熱心に話し込む姿が印象に残っている。

そんな姿勢が時に誤解を生み、「わがまま」「面倒くさい」などの記事につながり、アンチのガソリンとなるケースもあるが、大勢に影響はないだろう。今後も常に話題を振りまきながら、主演女優としての道を歩み続けていくのではないか。


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