CULTURE | 2021/05/26

結婚、コロナ感染、聖火リレー、主演ドラマ……なぜ石原さとみは常に物議を醸す存在なのか【連載】テレビの窓から(7)

イラスト:IKUMA

木村隆志
コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者
「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎...

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若年層女性の支持では負けていない

まず石原がトップ女優であり続ける理由について。石原が朝ドラ『てるてる家族』(NHK)で連ドラ発主演を飾った2003年から約18年になるが、この間、常に主演かヒロインを務め続けてきた。

主な作品名を挙げると、『WATER BOYS2』(フジテレビ系)、『H2~君といた日々』(TBS系)、『Ns’あおい』(フジテレビ系)、『花嫁とパパ』(フジテレビ系)、『パズル』(テレビ朝日系)、『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)、『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)、『ディア・シスター』(フジテレビ系)、『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)、『アンナチュラル』(TBS系)、『高嶺の花』(日本テレビ系)、『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)。

実際のところ、「石原さとみだから高視聴率を獲得できた」という作品は少ないのだが、それでも購買意欲の高い女性層からの人気は絶大であり、スポンサー受けは抜群。現在放送中の『恋はDeepに』も、全体の視聴率こそ春ドラマの中位から下位に甘んじているが、若年層の視聴ではトップクラスであり、その多くが「石原さとみのドラマだから見ている女性」という。

若年層女性たちは、石原に主演女優としての華を感じ、ヘアメイクやファッションに注目しているのだ。一方の石原もメイクやファッションの研究に余念がなく、自らのメイクで撮影に挑むことも多い。これは彼女なりの役作りであるとともに、ファンの期待に応えようとしていることの表れだろう。

そんな感度の高い若年層女性から注目を集める石原が主演を務め続けられるのは当然であり、それは結婚した現在も変わっていない。疑うべきは石原ではなく、録画視聴やネット視聴が多いにもかかわらず、単に全体の視聴率だけで「不振」「落ちぶれた」などと報じるメディアのほうだろう。

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