「何を演じても石原さとみ」は本当か
「何を演じても石原さとみにしか見えない」「いつも早口でまくしたてるような演技ばかり」などの演技に対する批判も、脚本や演出に合わせているだけであって、石原の責任とは言い難い。たとえば上記に挙げた出演作の中では、『アンナチュラル』での演技を見て「何を演じても同じ」とは思わないのではないか。映画や舞台での経験値も含め、演技の引き出しは持っているはずであり、それが求められていないドラマでは見せていないだけなのだ。
これは同じように「何を演じても同じ」と言われがちな木村拓哉のケースと似ている。ドラマでは似た引き出しばかり開けることを求められているのに、批判が向くのは脚本・演出ではなく俳優個人。アンチが嬉々としてネット上に批判を書き込むのは、石原や木村がスターであることを認めているようなものであり、実際に業界内でもそう見られている。
少し見方を変えれば、約18年間に渡って主演やヒロインを務め続けてきたからこそ、これだけのアンチを持つことができるのであって、それも石原の凄さと言っていいだろう。
また、前述したように石原は、もともと女性ファンが多かったことから、結婚によるダメージは考えにくい。むしろ今後は「妻になってもキレイ」「母なのにオシャレ」などの付加価値も予想され、さらに女性たちから注目を集める存在になる可能性もありそうだ。
次ページ:「意識の高さ」が生む理解と誤解