ツイッターの普及で消えた「オレ達のインターネット」
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2020年11月28日現在の日本一は元ZOZO社長の前澤友作氏で約1048万人。その間、「デマ拡散」「企業の軟式IDブーム」「芸能人続々参戦」「バカッター騒動」「企業の中の人、炎上」「ローマ法王、ツイッター開始」「イデオロギー激突」「トランプ大統領“指先介入”」「取材された人物がメディアの失礼な対応を告発」「フェイクニュース・デマ拡散」「緊迫の舞台裏の実況中継」「中国共産党はツイッター禁止」などに加え、前澤氏が「お年玉企画」をするなどさまざまな事件が起きるとともに、今やなくてはならないツールとなった。
初期の頃はツイッターのことをメディアが報じる際は「ミニブログ」や「マイクロブログ」や「短文投稿サイト」などと補足をしていたが、今やそんな補足は必要ない。2010~2011年頃は一般誌も「ツイッターって何?」「どうやって始めるの?」などと特集を組み、レイアウトもツイッターの140文字を意識したようなものが多かった。
それこそ「不倫をする人の140文字以内の言い分」といった形で、ツイート画面風の枠の中にその「言い分」が書き込まれていたりしたのだ。今となってはなんとも恥ずかしい。
私自身、ツイッターの爆発的普及と「ネットが当たり前のものになった」時期は同じではないか、と感じている。2010年頃までネットはどこか特別なものだった。しかし、この時期にスマホの普及と相まってデジタルネイティブ世代である現在の若手社会人以下が、「ネットは電気や水道と同じようなもの」的なものと捉えるようになったのだ。
現在の40代以上からすれば「おー! 広瀬香美がツイッターを開始した! すげー! オレ達(ギーク/オタク)のインターネットに芸能人が入ってきた!」と嬉しさはありつつも若干の悲しさもあるような心の揺らぎがあった。
だが、若者にとっては芸能人がツイッターをやるのは当たり前だし、友達との連絡もツイッターやインスタグラム、LINEを使うのは自然なこと。電話をかけるのはもはや非常識な行為だと思われている。
「ネットは特別なもの」という体験を1990年代後半から2000年代中盤までした中高年にとって、最後の甘美なる「オレ達のインターネット」的空気感が2009~2010年のツイッターに広がっていた。そこから先、インターネットは完全に「みんなのもの」となり、完全に社会のインフラと化していったのである。
あの頃の熱狂については、上記で紹介した記事で存分に振り返ることができるだろう。週刊ダイヤモンドもアマゾンで買えるので、当時の貴重な資料として買ってみてもよいかもしれない。