CULTURE | 2023/05/16

新しい音楽を見つけるなら車の中。ついつい聴いてしまう一曲〈ジェリー・ガルシア・バンド / And It Stoned Me〉

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※本記事はウェブメディア「JAF Mate Online」にてFINDERS編集部が編集協力を行っている連載「わたしのドライブミュージック」から転載しております

音楽好きの著名人が、月替わりで車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを紹介します。

今月お届けする4曲の選曲を担当するのは、ラジオDJなどで幅広く活躍するブロードキャスターのピーター・バラカンさんです。

聞き手・構成=柳樂光隆 / 編集=赤井大祐・神保勇揮(FINDERS編集部)

3曲目 Jerry Garcia Band / And It Stoned Me 『GARCIA LIVE VOLUME 19:OCTOBER 31ST, 1992:OAKLAND COLISEUM ARENA』

最近はもっぱらラジオ局への行き来で車を使っています。そういうときに運転の友、というより番組用選曲を考えるために音楽を聴いているんですが、運転中だとすごく耳に入っていいんですよ。メイルを書いたり、仕事をしながらだとせっかくのいいレコードが響かないことがあって。でも、ラジオ局への行き来はルーティンになっているから、運転中のほうが音楽が素直に耳に入ってくるんです。家で一度聴いてピンとこなくても、車で改めて聴くと気に入ることはある。だから運転しながらの音楽は効果的なんです。

最近車で聴いて気持ちよかったのは、ギニアビサウ共和国のキミ・ジャバテ / Dindin 『Dindin』。モダンな解釈でポップな要素もあって聴きやすいから、アフリカをよく知らなくても誰でも気持ちよく聴ける。メロディアスですしね。

でも、どれもヒットしなかった場合に備えて安全パイを1枚積んでるんですよ。それがジェリー・ガルシア・バンド / And It Stoned Me 『GARCIA LIVE VOLUME 19:OCTOBER 31ST』。ジェリー・ガルシアが糖尿病の発作から復帰した92年、亡くなる3年前のライヴですね。本人の演奏がとにかくごきげん。彼のライヴは小さいクラブでやることが多いけど、これはオークランドのコロシアムだから1万人以上は入るはずなんですよ。お客さんがものすごく盛り上がってる。僕は彼のギターが本当に好き(笑)。ギターからα波が出まくってるというか、クラシックのファンがモーツアルトから受ける栄養と一緒だと思っています。

1曲目「ピーター・バラカンが秘密の海岸まで友人の車で走った〈ジョージ・ベンソン/Breezin'〉」はこちら

2曲目「初運転はLAのフリーウェイ。ラジオから流れた極上のファンク〈ザップ/Doo Wa Ditty (Blow That Thing)〉」はこちら

4曲目「車の閉じた環境でこそ聴くべき現代のルーツ・レゲエ〈ジェブ・ロイ・ニコルズ/Monsters On The Hill〉」はこちら

ピーター・バラカン

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1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「バラカン・ビート」(インターFM)、「ウィークエンドサンシャイン」(NHK-FM)などを担当。著書に『魂(ソウル)のゆくえ』『ぼくが愛するロック 名盤240』などがある。ウェブサイトはhttps://peterbarakan.net