CULTURE | 2025/12/24

山田五郎が読み解く、世界30万部『The Book』がAI時代に問いかける 「紙で考える」 という価値

『The Book:究極の文明再構築ガイド』を山田五郎YouTubeチャンネル 「オトナの教養講座」 で紹介

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

「読む」 を超え、「対話を生む」 本として再評価される『The Book』

世界で30万部を突破した書籍『The Book:究極の文明再構築ガイド』が、評論家の山田五郎によるYouTubeチャンネル 「山田五郎 オトナの教養講座」 で紹介された。番組内では、本書の造本思想や背景に触れながら、デジタル化が進む現代における 「本」 と 「紙」 の新しい意味が語られた。

『The Book』は、共同創業者ヴセヴォロド・バティチェフがコロナ禍に直島で体験した静寂を原点としている。文明がもし止まったとしたら、何を未来に残すべきか。その問いを起点に、余白や紙質、重量に至るまでが、思考を促す装置として設計された一冊である。単に情報を読むための本ではなく、ページを行き来しながら考え、立ち止まり、語り合うための存在だ。

本作はまず欧米で評価を高め、巨大でアナログな造本にもかかわらず、世界的な支持を獲得してきた。その背景には、美術や科学、歴史を横断する構成がアートブックとして受け入れられたこと、世代や関係性を越えて会話を生む存在として機能したことがある。個人で読み込むだけでなく、家族や複数人でページをめくる体験そのものが価値として共有されてきた。

番組内で山田五郎氏は、スマートフォンに情報が集約される時代だからこそ、あえて大きく、超アナログな本を広げる体験の面白さに言及した。「あのページどこだっけ」 と探しながら、想像し、会話し、共有するプロセスそのものが楽しいという指摘は、『The Book』を 「対話を生む文化的デバイス」 として捉える視点を際立たせている。

動画公開後のコメント欄では、本というより芸術作品のように感じた、家族や知人と眺める光景が想像できた、デジタルとは異なる感覚が新鮮だったといった声が多く見られた。これらは、読む行為を超えた体験として本作が受け止められていることを示している。

『The Book:究極の文明再構築ガイド』は、AI時代における思考と対話のあり方を、紙というメディアから問い直す一冊である。 


YouTube紹介動画
https://youtu.be/lEktcoac5w8

Hungry Minds Japan 公式サイト
https://jp.hungryminds.com/