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任天堂の「資料館計画」が天才的すぎる理由を、産官学の立場から解説したい【連載】ゲームジャーナル・クロッシング(7)
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  • 2021.06.09
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任天堂の「資料館計画」が天才的すぎる理由を、産官学の立場から解説したい【連載】ゲームジャーナル・クロッシング(7)

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ポストコロナ時代の京都再生への期待

またこの任天堂IPに期待するのが、京都の自治体だ。

そもそも、京都はモントリオールやオースティンと並ぶ「ゲーム都市」。もちろん世界的ゲーム企業の任天堂の存在は言わずもがな、Q-Gamesやインテリジェントシステムズなど任天堂と関係の深い企業や、17-BITやroom6など新しいインディーゲームの拠点まで、さまざまなゲーム会社が京都に軒を並べる。

そうした事情もあってか、京都は極めてゲーム文化に寛容な都市だ。中でも、京都みやこめっせで2013年から毎年開催されるインディーゲームのイベント「BitSummit」は、2019年の来場者数が1万7000人を超えるなど世界中の注目を集めている上に、今年の京都国際舞台芸術祭においては、パフォーマンス中心の展示の中で「仮想空間とパフォーマンス」をテーマにインディーゲームも出展することも予定されている。

また、今回資料館の建築が予定される宇治市は、市のPRのため「宇治市~宇治茶と源氏物語のまち~」を制作。クラウドファンディングで開発予算を集め、スマホアプリとしてリリース。ゲーム自体も商業作品と比べて遜色ない、本格的な仕上がりだ。

任天堂によれば、今回の資料館計画も宇治市の意向もあったらしく、任天堂の「聖地化計画」は京都にとっても重要な観光資源になるといえるだろう。

現状、京都はコロナ禍による影響で観光地の客足が激減。京都新聞 によれば、京都府内の観光関連事業者の35%が売上高の10割が減少、つまりゼロになってしまったという。感染の流行が収まったとしても、観光客が戻るとは限らない。その中で任天堂の聖地化は、京都再生の非常に大きな鍵となっている。

次ページ:聖地化を通して実現する、ゲーム版「産官学連携」

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