文:山田山太
東京都の6倍の面積が消失
アメリカ・カリフォルニア州では、今年8月中旬から山火事が発生。総面積およそ1万2500平方キロメートル以上と、東京都の6倍近い範囲が消失。未だ多くの地域が鎮火しておらず、懸命な消火活動が続いている。
同州シャスタ郡、オノ、及びイゴ地域で発生した「ゾッグ・ファイア」もそのうちの一つ。カリフォルニア大学の提供する「FireMappers」によれば、9月27日から始まったこの山火事は、現在ほとんど鎮火しているものの、200平方キロメートル以上の範囲が消失した。
そんなゾッグ・ファイアの中、生後3週間から4週間と見られる1匹のピューマの赤ちゃんが、先月末に消防士によって救出された。命に別状はなかったものの、全身に火傷を負い、ヒゲは焼け落ちてしまっていた。
このピューマは、カリフォルニア州魚類・野生生物局にて保護された後、現在は同州のオークランド動物園に移送された。同局に勤め、ピューマの移送を担当した野生生物学者によれば、「警戒心がとても強く、活発な子だったので、大丈夫だろうと希望を持つことができました」とのことだ。また、オークランド動物園職員のエリン・ハリソンさんは「この子が生きているのは奇跡です」と『CNN』の取材に語った。
現在オークランド動物園はUCデイビス動物病院と協力し、このピューマの火傷の治療を行っており、鎮痛剤や抗生物質、水分補給が行われている。
また、煙を吸ったことによる肺の損傷と骨折がないかを調べるためにX線写真の撮影を行ったが、問題は見られなかったとのことだ。ただ、前足の軟部組織に大きな損傷が見られたとのこと。担当獣医は「油断はできませんが楽観視しています」と語っている。
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