田園地帯の遊休地を宿泊体験の目的地へ
プライベートサウナ付きアウトドアホテル ｢Earthboat｣ を展開するアースボートが、埼玉県川島町に新拠点 ｢Earthboat Saitama Kawajima｣ を2026年春に開業する。埼玉県での展開は今回が初となる。舞台となるのは、かつて釣り場として賑わい、その後は活用が進んでいなかった町所有の ｢鳥羽井沼自然公園｣。官民連携の再開発プロジェクトにより、田園地帯の遊休地を旅の目的地へと再生させる取り組みが本格始動する。
今回の拠点では、新モデル ｢Earthboat Nomad｣ が登場する。これまで山岳地など厳しい環境に適応する設計を特徴としてきた既存モデルに対し、｢Nomad｣ は平野部に最適化した仕様へと刷新された。寝室棟が2つに分かれ、屋外と屋内をより滑らかに行き来できる構成によって、家族やグループが快適に過ごせる滞在を可能にしている。
設計を手がけたPAN-PROJECTSは、建築を必要最小限に凝縮しつつ、独立した寝室棟が屋外空間の多様な演出を生み、中央の扉を開け放つことで三つの小さな箱が寄り添うように一体の場が生まれると語る。屋内を最小限に抑えることで、｢アウトドアリビング｣ を中心にしたEarthboatならではの体験をより豊かに広げることを目指している。
アースボート代表の吉原ゴウ氏は、都心からのアクセスの良さと開放的な水辺環境の魅力を挙げつつ、｢より気軽にNature Escapeを楽しめる拠点になる｣ とコメント。運営パートナーとなるオペレーションカンパニー代表・星野健太氏も、温浴・ホテル・飲食のノウハウを活かし、自然の中に飛び込むきっかけとなる施設を目指すと語っている。
Earthboatは、火起こしや屋外調理、プライベートサウナ、満天の星を眺める時間など、自然の中で過ごすための要素をトレーラーハウスに凝縮した宿泊モデルとして各地に展開中だ。キッチン、トイレ、シャワー、サウナを備え、ペットとの滞在も可能。2024年にはグッドデザイン賞も受賞している。
川島町の静かな水辺に誕生する新たな拠点は、日常から一歩離れながらも過剰な演出に頼らない ｢自然との距離感｣ をどのように形づくるのか。｢Earthboat Nomad｣ が提案する、屋外と屋内を柔らかくつなぐ体験に注目したい。
Earthboat Saitama Kawajima
所在地：埼玉県比企郡川島町大字鳥羽井新田 鳥羽井沼自然公園 (川島ICから車で約10分)
運営パートナー：株式会社オペレーションカンパニー
開業予定：2026年春
Earthboat コンセプトサイト
https://earthboat.jp/concept