気象庁認可から半年、AI水位予測が全国対応。防災テックSpecteeの次なる一手
防災テックスタートアップの株式会社Specteeは、AIによる河川の水位予測を全国 (一部地域を除く) の中小河川に対応させたと発表した。これは、本年1月に気象庁から取得した 「洪水予報業務」 の許可に基づくもので、今回の変更認可により、全国規模での水位予測サービスの展開が可能となった。

近年、1時間に50ミリメートルを超えるような局地的豪雨の頻度が増加しており、自然災害の激甚化への備えは喫緊の課題となっている。中でも中小河川は、水位計の設置が少なく、ハザードマップの整備も遅れていることから、被害予測や対応の難しさが指摘されてきた。
Specteeは、2014年よりSNSや気象データ、道路・河川カメラなど多様な情報をAIで解析することで、災害時の迅速な情報提供を行ってきた。2025年1月には、AIを活用したモデルによる洪水予報業務の許可を、民間企業として初めて取得している。
同社が開発した独自のAIモデルでは、過去の降雨と水位の関係を学習させた上で、現在の水位データや気象予測と組み合わせて未来の水位を予測。さらに、既存サービスである「Spectee Pro」のSNSデータや浸水影響範囲の地図表示機能と連携し、ユーザーに通知する仕組みとなっている。

Spectee代表取締役の村上建治郎氏は、今回の全国展開について「日本には多くの中小河川があり、水位の把握が困難だった。今回の変更認可により、それらに対応できることは、自治体の防災DX推進にも貢献できる」と述べている。
今後、AI技術を基盤にした予測精度の向上とともに、Specteeは「レジリエンス社会の構築」に向けた取り組みを加速させていくという。
Spectee 「全国版 河川水位予測サービス」
対応範囲:全国(一部地域を除)の中小河川
機能:リアルタイム水位予測、SNSや地図との連携可視化、通知サービス
対象利用者:自治体、報道機関、インフラ企業、メーカー、物流企業など
Spectee公式サイト
https://spectee.co.jp
洪水予報業務取得リリース
https://spectee.co.jp/pr20250115/
気象庁データ
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html