建築とデザインが「滞在そのもの」を生み出すアワード
ミシュランは8月13日、建築とデザインに優れたホテルを顕彰する「ミシュランアーキテクチャ&デザインアワード」の第1回ノミネート5軒を発表した。日本からは香川県直島町の「ベネッセハウス」が選出され、ドバイの「アトランティス・ザ・ロイヤル」、サウジアラビアの「シェバラ・リゾート」、ブラジルの「ローズウッド サンパウロ」、クロアチアの「ヴィラ・ナイ3.3」と並び、世界を代表するデザインホテルのひとつとして名を連ねた。
本アワードは、宿泊者にとって建築やデザインが単なる背景ではなく、体験そのものを形成するホテルを選出するものである。サンゴ礁と溶け合うリゾート、砂漠の中に涼をもたらす建築、あるいは美術館とホテルが一体化した空間など、それぞれの施設は土地の自然や文化を活かしながら、独創的な滞在体験を提供している。
大賞は2025年10月8日、パリの装飾美術館で発表される予定だ。同時に、世界の優れたホテルを選出する「ミシュランキー」の最新セレクションも公開される。
尚、日本から唯一選出された「ベネッセハウス」は、世界的建築家・安藤忠雄の設計により1992年に開業した。美術館とホテルが融合した世界初の試みであり、以来「アートの島」直島の象徴として国内外の旅行者を魅了してきた。
施設は、海沿いの地形に溶け込む「ミュージアム棟」、水盤と光が印象的な「オーバル棟」、自然との境界を曖昧にする「パーク棟」、海と一体となる「ビーチ棟」から成る。広々とした客室には瀬戸内海や四国山地を望む大きな窓が設けられ、館内にはデイヴィッド・ホックニー、ジェームズ・タレル、草間彌生、アンディ・ウォーホルらの作品が展示されている。
また、彫刻が点在する屋外空間や、ガラス張りのレストラン、海を臨む露天風呂などがゲスト体験をさらに豊かにする。特にモノレールでのみアクセス可能な丘上の「オーバル棟」は、非日常的な静謐さを味わえる特別な宿泊体験を提供している。

日本の直島から世界へ、建築とアートの融合を体現するベネッセハウスがどのように評価されるのか、10月の発表に注目が集まる。




「ミシュランアーキテクチャ&デザインアワード」ノミネートホテル(第1回)
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