CULTURE | 2022/04/14

「今買っておけば将来絶対儲かる」跋扈する「メタバース原野商法」に騙されないために知っておくべき3つのこと

Photo by Shutterstock

足立 明穂
ITトレンド・ウォッチャー、キンドル作家
シリコンバレ...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

どうすればメタバース原野商法などに騙されないで済む?

これから増えてくると思われる怪しいビジネスに引き込まれないためには、どうすればいいでしょうか?

メタバースなどをよく理解していればすぐに見抜けるかもしれませんが、初心者にはそんな知識もないので、ここでは誰でも分かる注意すべきポイントを3点、お伝えしておきます。 

1.まだ始まっていないサービスはそもそも完成するかどうか分からない

「まだ公式には発表されていないけれど……」、「密かに開発されているメタバースがあって……」のように出来上がっていないサービスへの投資話は、かなり危ないです。もちろん、ベンチャー企業で頑張っているところもありますが、うまくいくかどうかなど誰にも分かりません。ベンチャー投資家の専門家であっても、「千三つ」と言うように1000案件に3件程度しかうまくいかないと言われています。ましてや、ハイテク業界の動向や技術情報、エンジニアの開発スキルなどについて判断できない素人にはリスクが大きすぎます。まだ、登場していないサービスに対しての投資は控えた方が無難です。  

2.NFT、メタバース、Web3に「投資(ビジネス)」を絡めたセミナーは要注意

メディアでよく目にするので興味を持っている人が多く、また何かこれから新しいビジネスが急激に広がりそうなキーワードが、NFT、メタバース、Web3といった言葉です。これらをセミナーのタイトルに入れれば、かなりの人を集客でき、また投資やビジネスに関心のある方々が集まります。ところが、そのようなセミナーに参加してみると、中には途中から「NFTを買うにもまとまったお金が必要です」とか「メタバースの仮想の土地を買うにも元手が必要です」とか言い始めて、副業の話や少額投資の話に。最初から、その商材を売りたいがためのセミナーということもあるので要注意です。

3.サービスの魅力より「カネ儲けしよう」のメッセージを強調する

メタバースでのサービス運営がメインではなく、「この企業に一緒に投資しましょう」「有料会員を紹介してくれれば紹介料を払います」などと勧誘することで収益が得られるというパターン。昔からあるマルチ商法といわれる手法です。友達や知人に紹介して新たに会員になると収入が増えていくので、最初の段階で会員になった人は確かに収入を得ています。だからこそ、「自分も簡単にお金が入るのではないか?」と思ってしまいます。クラウドファンディングのように「開発費をサポートしてくれたらお礼にグッズを渡します」といったスタイルなら問題ないですが、「あなたも一緒にビジネスで成功して豊かな人生を歩みましょう」というようなメッセージが入っている場合は非常に危険です。実際には、新しい会員を増やすのも大変ですし、そもそも途中でその会社がなくなる、あるいは上層部が雲隠れすることだって起きます。どのような収益構造でビジネスが成り立つのか、今後何十年も続けられるビジネスになっているのかをよく見極めることが重要です。

次ページ:より面倒なのは「なんちゃって専門家」