ファンも詰めかけた傍聴席、今後の活動は?
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そして、被告人質問。まずは弁護人から。
弁護人「使用歴ですが、最初に使った時期は?」
A被告人「2019年10月ごろ。知人に教えられて使いました」
弁護人「約2年使い続けてたんですか?」
A被告人「止めている時期もありましたが、使っていた方が長いです」
弁護人「何故、続けてたんですか?」
A被告人「誘われて断りにくい気持ちもありましたが、自分の意志の弱さです」
被告人の今後について。
弁護人「薬物事案は再犯率が非常に高いです。もし、またやりたくなったらどうしますか?」
A被告人「まず家族に相談します。先ほどの◯◯さん(法廷では実名)にも相談します」
弁護人「今はお父さんと同居してるんですよね。傍聴には来てくれてます?」
A被告人「はい」
情状証人として出廷はしなかったけど、傍聴席で娘を見守っていたんですね。
弁護人「今、お仕事はしてますか?」
A被告人「カラオケ店でバイトを始めています」
弁護人「職業を訊かれて、セクシー女優と答えていましたけど、そっちの仕事はどうします?」
A被告人「再開するかわかりませんが、映像に出るのが好きなので性教育や薬物依存の怖さなど発信できればと思います」
ファンとしては嬉しい希望のある答えでしょうね。実は傍聴席は10席しかなくて、開廷1時間前から行列ができてたほどの裁判だったのです。A被告人の今後を心配したファンが来てたのかなぁと。30人くらい並んでいたので、傍聴できなかったファンにはこう言ってたよとお伝えしておきます。
続いて検察官からの質問。
検察官「もし逮捕されてなければ、所持していた覚せい剤とコカインは使ってました?」
A被告人「可能性はあったと思います」
検察官「調べでは“不安が消える感覚があった”と。何が不安でした?」
A被告人「これからの生活に対する不安…、他の人のようにうまく仕事ができるか…一人で暮らすさびしさです…」
検察官「今後不安になったらどうします?」
A被告人「家族と◯◯さんに相談します」
もしかしたら、薬物以外でつながりがある友達が一人もいなかったのかもしれませんね。
検察官「今までに家族に相談しなかった理由は何ですか?」
A被告人「家族に心配かけたくなかったのと、相談できる人がいませんでした」
検察官「何故、心配かけることにあるんですか?」
A被告人「仕事柄セクシー女優なので、なかなか不安を話しにくかったです…」
そこは本人にしかわからない部分だけど、打ち明けにくい内容だったんでしょうね。
検察官「あと、売人とか薬物にかかわる人から連絡は来ないですかね?」
A被告人「ケータイは両親に預けていて、番号も変える予定です」
検察官「もし、また誘われたらどうしますか?」
A被告人「強く断り、麻取に連絡します」
と、再犯しないことを約束していました。最後は裁判官からの質問。
裁判官「本件の人とは連絡を絶つって話ですけど、調書見ると他にもクスリ関係の人いるんじゃないですか?」
他にも悪い人脈があるの?と思ったら、
A被告人「最初に使うきっかけとなった男性の連絡先は消してありますし、一緒に使用した男性と私をつなげた女性とも連絡を絶っております」
本件以前にかかわった人のことを言ってるだけでした。その辺の古い人たちとはすでに関係はないようです。
そしてこの後、検察官が懲役2年と覚せい剤3袋、コカイン1袋没収という求刑をして、初公判はこれにて閉廷です。
初公判から10日後の12月10日に判決が言い渡されました。ちなみに法廷は傍聴席が21席の大きな法廷です。裁判所としても、あの法廷じゃ傍聴希望者が入りきらないと思ったんでしょうか。
結果は懲役2年執行猶予4年。所持していた覚せい剤3袋とコカイン1袋没収という判決。
判決もファンが多かったのか傍聴席は満席でした。それだけ人気者というか、多くの人に愛されてた人なんですよね。その華やかさとは裏腹に孤独を抱えていて、その隙間に悪いヤツが入り込んできたという悲しい話でした。
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