LIFE STYLE | 2021/12/03

日本人は英語を「正しく」を聞き取れていないってどういうこと?シャドーイング特化型サービス『シャドテン』でリスニング力アップを目指す!(前編)

Photo by Shutterstock
文:赤井大祐(FINDERS編集部)
「英語はビジネスマンの必須スキル」...

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英会話レッスンは「練習試合」?

――シャドーイングがリスニングの基礎を作るために大切だということはわかったのですが、であれば最初から英会話に時間をかけたほうが早いような気もするのですが。

新井:とりあえず英会話レッスンを始める方も多いと思いますが、英会話って、リスニングにおける「音声知覚」「意味理解」、そしてスピーキングを構成する「概念化」「文章化」「音声化」までのすべてをまとめて行う、いわば練習試合のようなものなんです。

リスニング、スピーキングそれぞれの要素を分解分解した図。各工程は単語や文法といった知識データベースに都度アクセスしながら行われる。

――言われてみれば、一度に全部をこなす必要がありますもんね。でも、だからこそ効果的、というわけではないのでしょうか?

新井:考えてみてください。例えばサッカーのドリブルやシュートの練習をしないで、いきなり練習試合に出てハットトリックを決めてこれますかね?

――あ、たしかに。超天才でもない限り無理ですね。

新井:必ずパスやドリブル、シュートなど個々の技術を磨き、それを実践する場としての練習試合ですよね。それと同じで、英会話は学習ではなく力試し・実践の場。本当の意味で英語力を鍛えてくれるのは、個々のインプット学習しかありません。もし英会話がうまくできないという人がいたとすると、その人に足りないのは英会話ではなく、それ以外の学習量が圧倒的に足りないのです。

――なるほど。英会話レッスンに臨んでいる時の手応えの無さの正体がわかったような気がします。

新井:やっぱり英会話ができない、と感じる瞬間って「リスニングが正確にできていない時」が多いように思います。なぜなら相手の言ってることが聞き取れないから、相手が何を言っているかわからない。つまり自分も何を言えばいいかわからない。当然ですよね。

相手のしゃべるスピードや発音、訛りや言葉選びって聞き手側にはコントロールできないですよね。つまりリスニングは相手依存の技能。とても難しいものなんです。反対にスピーキングやライティングって自分の知っている知識やスキルの範囲内でやればいいから簡単なんです。巷で「3語英語で会話は成立する」、なんて言われますが実際そうなんですよね。

しかもリスニング力はそう簡単に向上しません。第二言語を習得するうえでの発音や英語を聞き取る「耳」を鍛えるためには早期教育を施す必要性があるという「臨界期仮説」(*複数臨界期があるなど諸説あり。最小は6歳が境界線、最高では17,8歳を境界線とする説)というものがあります。第二言語習得論において、一定の年齢以上だと学習効率が基本的に変わらなくなるというものです。なのでもしそういった学習をしてこなかったとすると...

――つべこべ言わずにやるしか無いわけですね。

アプリで練習、録音、提出まで

――英語学習において、シャドーイングの重要性はつかめたような気がします。とは言え、シャドーイングのサービスって他社でも出していますよね。「シャドテン」だからこその特徴ってなんですか?

新井:「シャドテン」では、様々なレベル、トピック教材を備えた専用のアプリを用意しています。そこから自分にあったものを選び、アプリ上でシャドーイングを行います。1日およそ30分~1時間程度オーバーラッピングや音読等準備も含めて取り組んでいただいた後、一番最後に行ったシャドーイングの音声を録音し、提出していただきます。

――録音、提出までアプリ上で完結するということですか?

新井:そのとおりです。そして、録音した音声を提出いただくと、24時間以内に良かった部分と改善すべき部分をそれぞれ2、3ずつまたアプリを通してフィードバックします。ここで取り上げるのは、冒頭でお話した「音の変化」に関するものです。

――なるほど、わかってきました。シャドテンでは、音の変化を「正しく」理解できているかをフィードバックしてくれるわけですね。

新井:そうです。人間の脳は構造上、自分が発話・発音できない音を知覚することはできません。だから正しい音を認識し、その情報を脳内に蓄積する必要がある。正しい音を知って、反復し蓄積する。このサイクルを繰り返すことによって、音声知覚力が上がっていくというわけです。

いざ実践。後編に続く

新井氏との話を終え、これまでの自分の英語学習を振り返ってみると、英会話レッスンばかりおこない、個々の技術をおろそかにしていたことに気づいた。まさにシュートの練習をしないで練習試合にばかり臨んでいた状態。どおりで得点できないわけだ。

ということで、まずは音声知覚を鍛えてみようじゃないかということで、いざ「シャドテン」でのシャドーイングトレーニングをスタートすることに。

「シャドテン」の特筆すべきポイントは、新井氏から伺った、毎日のフィードバックや豊富な教材の他に、個人のレベルを測るためのテスト、自走学習のためのサポート体制、シャドーイングの効果を最大化するアプリの機能など、計7つあるという。このあたりは、実際にサービスを利用しながら紹介していければと思う。

通常シャドーイングの効果が出始めるのは、2〜3カ月目あたりとのことだが、今回は1カ月を終えた時点で後編として、『1カ月間のシャドテン体験記』を年末に公開予定だ。楽しみに待っていて欲しい。


シャドテン

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