CULTURE | 2021/10/06

NFT鳴門美術館が日本のNFTアートを変える!代表理事にお話を伺いました【連載】NFTが起こすデジタルアートの流通革命(9)

(NFT鳴門美術館のプレスリリースより)
8月12日に、徳島県鳴門市の「鳴門ガレの森美術館」を管理運営する「一般財団法...

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日本円で決済、NFTはバイナンスチェーンを利用

では、気になるNFT鳴門美術館は、どのようにNFTマーケットプレイスを運営していくのでしょうか? これについて、山口代表理事に伺った話をまとめると、

1. 独自にマーケットプレイスを構築する
2. NFTの管理にはバイナスチェーンを利用する
3. 日本円での決済を可能にする(クレジットカードなど)

バイナンスチェーンを利用するということなので、最初、バイナンスで扱うような仮想通貨での取引になるのかと思ったのですが、NFTの管理としてバイナンスチェーンを使うだけで、実際の売買については、日本円で行うようにするとのこと。

これは、日本での多くのアート・コレクターにとっては嬉しい知らせです。これまで、NFTアートを購入したいと思っても、仮想通貨での支払いだとか、メタマスク等のオンラインウォレットを使いこなす必要などもあり、ハードルが高く、そもそも仮想通貨を一度も使ったことのない人には、手が出なかったでしょう。

日本円で購入できるとなると、注目されるでしょうし、それが美術館が運営するNFTマーケットプレイスとなると、信頼度が違います。事実、アーティストから出品したいという問い合わせが殺到しているとのことで、数が多すぎて選んでいる状態ではないそうです。そのため、抽選で月単位とかで出展作品の展示を変えていくようなことを考えているそうです。

徳島県庁との交渉は1月から始まっていた

山口代表理事に、何が大変だったかというのをお伺いすると、「徳島県庁との交渉が大変だった」そうです。

そもそも、NFT鳴門美術館の前身である鳴門ガレの森美術館は、財団法人なので県庁との関係が深く、1月から交渉していたそうです。美術館に「NFT」の名前をつけるのに、職員の方々の理解を得るのが大変だったそうです。今年の1月というとNFTは、まだまだ知られていない時期なので、「nFTとは何ぞや?」から話をしないといけないですし、ニュースや新聞にも出てこない言葉なので、そんな名称にして大丈夫なのかという疑問を持たれてもしかたありません。

しかし、今は、これだけnFTが注目されてきて、日本初の「NFTを扱う美術館」ということで県庁の方々にも喜んでいただいているそうです。

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