写真左から池田佳乃子さん、三原勇希さん、馬場正尊さん、桑原晴代さん
文・写真:神保勇揮
ビッグローブ株式会社は、同社が運営する各業界でイノベーションを実践する人や事例を紹介するメディア「BIGLOBE Style」発のオンライントークイベント「BIGLOBE Styleイノベーションミーティング:オンライン」vol.1を、9月24日に開催した。
今回のテーマは、在宅勤務やリモートワーク、ワーケーションなどで注目を集めている「新しい住まいと働き方」。登壇者は株式会社オープン・エー代表で東京R不動産ディレクターの馬場正尊さん、別府と東京で地域活性化に取り組むローカルプランナーの池田佳乃子さん、タレント・ラジオDJとして活躍する三原勇希さんおよび、BIGLOBE Style編集長かつ人事部 採用グループグループリーダーの桑原晴代さんの4名で、映画解説者の中井圭さんが司会を務めた。
今回のトークでは、以下の4つのテーマについて語り合った。
① リモートワークの現在とこれから
② 地方移住と二拠点生活の可能性
③ ワーケーションは地方を活性化するか
④ 採用に求められる住まいの制度
「在宅勤務できる」よりも「働き方が選べる」点が最も大きなメリット
最初のテーマ「リモートワークの現在とこれから」については、各ゲストの緊急事態宣言中の仕事・生活の変化を語り合ったうえで、BIGLOBEが行った、アンケート調査の結果を発表した。なお、以下の「緊急事態宣言の解除後、リモートワークをしているか?」というアンケートのみ今年5月に行い、他のアンケートは9月に実施している。
まず20代から60代の社会人1000人を対象とした、「緊急事態宣言の解除後、リモートワークをしているか?」という問いに対しては、実施していると回答したのは32.1%。今後実施予定がある層(6.9%)を加えると4割を超える結果となった。
緊急事態宣言の解除後、リモートワークをしているか?
馬場さんが代表を務めるオープン・エーでは「来てもいいし、来なくてもいい」という選択制を取っているが、建築の模型作りなど出社必須の作業もあることから、出社率は半々ぐらいとなっているという。社員からもこの制度は好評だが、チーム内の結束を維持するため、特定の日にチーム全員が出社する「チームデイ」を設定することも検討しているそうだ。
株式会社オープン・エー代表で東京R不動産ディレクターの馬場正尊さん
また桑原さんは「BIGLOBE社内で反応を聞くと、コミュニケーションが取りづらくなったという声も一部あるものの、選択肢が広がったこと自体は好評です。アンケート取ると7割が満足しています」と語る。
在宅勤務を取り入れる最大のメリットは、桑原さんが語るように「働き方の選択肢が広がった」という面に尽きるだろう。また「長い議論をするにはやはり対面が良いと思いますが、簡単な打ち合わせ、顔合わせがリモート前提になったのはすごくありがたいです」(三原さん)、「初顔合わせで中身がないけどとりあえず1時間話す、という打ち合わせもこれまで多かったのですが、オンライン通話がメインになったことで時間が大幅に短縮されました。地方だから、自治体だから対応できないということもありません。観光協会、自治体が海外向けのオンライン商談会を企画するケースも出ています」(池田さん)という意見も挙がった。
一方、馬場さんが「マネジメントの立場からすると、これから半年ぐらいの期間で在宅勤務だと生産性がどう変わったかを検証していく必要がある」と語ったように、今後はこの働き方をどうクオリティアップしていくかということを考えていく必要もある。
そうした中でまず問題となるのは、多くの人の自宅が「在宅勤務をする前提のスペースにはなっていない」ということだろう。
「多くの人に個室がないということが大きな問題で、例えば夫婦2人で同時にオンライン通話をすると音の干渉も生じてしまいます。東京R不動産でも『郊外の方であっても部屋が多い方が良い』というニーズが確実に増えていることを実感しています」(馬場さん)
加えて、「オンライン通話時に映る部屋の様子、インテリアなどでどんな人かを判断すると言っている人がいて、そうした部分でも評価されることがあるのかとハッとしました」(三原さん)というような意見もあり、住宅=住むことに求められる要素はドラスティックに変わっていきそうだ。
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