CULTURE | 2020/06/02

コロナ離婚・テレワーク不倫…濃厚接触なき世界の「新しい恋愛様式」を、1200人の恋バナを聞いた男が解説

Photo by 写真AC
「新型コロナウイルスの影響で社会が一変し……」という書き出しは...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

新しいモテ方「リモ充」

Photo by 写真AC<

ーー 緊急事態宣言は解除されましたが、他人との距離感がすぐ元に戻るとは思えません。そうなると居酒屋などで初対面の人とフランクに話すという機会も減るはずですし、生活の中で異性と知り合うチャンスがほぼなくなるんじゃないでしょうか。そうすると、婚活サービスの需要がもっと増えていきそうです。

清田:相手の身元がある程度保証されますしね。とはいえ、そもそもこの状況での婚活はものすごく大変ですよね。

ーー 恋愛が一番の濃厚接触ですよね(笑)。

清田:もしお付き合いすることになっても、相手を尊重しながら段階的に距離を縮めていったり、一つ一つの行為を合意形成した上で進めていくというスタンスが恋愛には必須だと思いますが、一方で恋愛やセックスは他人との境界を溶け合わせるような行為でもある。

オンライン合コンとかオンライン婚活とかもありますけど、あまりにもディスタンスがありすぎて、そこも難しさのひとつだと感じますい。「オンライン飲みに誘われたけど、まったく話が合わなくて辛かった」っていう話もよく聞くんですよ(笑)。

リアル空間の飲み会なら「料理がおいしい!」「お店の雰囲気良いですね」などコミュニケーションのタネ、道具になるようなものがそこかしこに転がっていますが、オンライン飲み会だと本当の意味において話をするしかない。「そのバーチャル背景はどこですか?」とか「本棚にあるマンガって何ですか?」とかあるにはあるけれど、情報量としてはあまりに乏しいです。

ーー 会話の重要性が上がったというのは良い面でもありますね。

清田:確かにそうですね。リアルの合コンだと、男性側は「戯れの会話」というか、誰かをイジって笑って盛り上がるようなノリ重視のコミュニケーションがメインになっちゃうことも多い。合コンが終わってから「楽しかったけど相手のことは知れなかった…」となりがちです。それも悪いことではないけど、やっぱり対話ではないですよね。オンラインの場合、話者が1人に限定されちゃうのでクロストークや雰囲気だけで場を盛り上げることがしづらいので、ちゃんとした対話になっていく可能性はむしろ高いかもしれませんね。

ーー 「戯れの会話」だけで「なんだか楽しい人だな」と思って結婚しちゃうと、後から決定的な考え方の違いが露呈してしまうこともありそうです。

清田:ノリの会話がベースになっている空間ではコミュニケーション強者だけど、一対一で向き合う会話は苦手って人も結構いるじゃないですか。そういう人はこのオンライン時代には逆に不利になるんじゃないかという気もします。

ーー 今後、「モテる人間」のあり方が変わってくるんでしょうか?「オンラインモテ」というか。

清田:環境とかルール設定が変われば、それに適応する資質と、不利になる資質が出てくる。身体的な接触が減って、距離が開き、戯れの会話よりも対話型のやりとりが主流みたいになってくると、それに長けた人の方がモテるようになるかもしれない。コミュニケーション力という言葉が指す内実が変化するというか。良い距離感を保ちながら会話ができる、的確に話題のポイントを理解した上でリアクションできる、そういう人が「コミュ力が高い」と言われるようになるかもしれませんね。

この間、「リア充」ならぬ「リモ充」っていう言葉を思いついてメンバーと話していて。情報強者になればなるほど面白いことが知れる可能性が高まるし、良い雰囲気の居酒屋を知っているより通信機器に詳しい方が今後はモテに繋がる可能性もあるじゃないですか。

女性にとっては押し倒されたりするリスクなく異性と関係を深められるメリットもあるので、色々試しながら恋愛してみるといいんじゃないかと思います。


prev