CULTURE | 2021/06/21

なぜ新垣結衣は「アイドル女優」なのに叩かれないのか?結婚発表後も「ガッキーロス」ムードが続く理由【連載】テレビの窓から(8)

イラスト:IKUMA

木村隆志
コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者
「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎...

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高身長に気づかせない「かわいさ」

そしてもう1つ、「新垣結衣がいかに希有なアイドル女優であるか」を物語っているのが、彼女の身長。169cmと公表されているが、「実際はもっと高い」などと言われるほか、検索エンジンの予測変換に「新垣結衣 身長 175」「新垣結衣 身長 サバ」などと表示され、自らも「まだ伸びています」などとネタにしている。

近年、橋本環奈、上白石萌音、森七菜ら150cm台前半の低身長女優が「かわいい」というイメージで活躍の場を広げている。低身長女優は自然体や親近感を抱かせやすく、「かわいい」というイメージを抱かせることが多い。一方、天海祐希、松嶋菜々子、杏、松下奈緒ら高身長女優は「かわいい」ではなく「きれい」「かっこいい」というイメージが先行する。

その点、新垣は高身長であることを気づかせない自然体の振る舞いで、親近感を抱かせられるのが強み。実際、168cmの星野源よりも高いにもかかわらず、『逃げるは恥だが役に立つ』で親近感を抱かせ、「かわいい」と言われていたことが新垣の魅力を証明している。

また、それでいて高身長ならではの「きれい」「かっこいい」もほのかに感じさせられるから、美容関係のCMオファーも多いのだろう。高身長女優が普通のOL役を演じると、どこか浮世離れしまいがちだが、新垣にはそれがなく、見る人々も受け入れやすい。

元々「かわいい」というイメージのあるアイドル女優は、「媚びている」「わざとらしい」「演技がヘタ」などの批判も受けやすいものだが、新垣にそれがないのは、ほどよく「きれい」「かっこいい」がミックスされているからではないか。低身長女優と高身長女優のいいとこ取りをしている新垣が叩かれにくいのは当然なのかもしれない。


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