CULTURE | 2021/05/20

2000年以降、地球上で再生した森林の広さはフランスに匹敵。新研究で明らかになった希望

Photo by Shutterstock
文:角谷剛
環境破壊や地球温暖化という単語には、ある種の絶望感がつきまと...

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なおも深刻な森林伐採がもたらす自然破壊

しかしながら、地球全体に目を向けると、依然として森林は急激に失われている。森林伐採が森林再生をはるかに上回るペースで進んでいるのだ。2000年以降、世界中で失われた森林の合計面積は9億5300万エーカー。こちらはインドの面積より大きい。

この研究の主要メンバーの一人でもあるWWFのウィリアム・ボールドウィン-カンテッロ氏は、声明の中で「私たちが危険な気候の変化を避け、失われた自然を取り戻すには、森林伐採をやめ、自然森林を再生させることを同時に行わないといけません」と提案。そして「人工的に植林された森林より、自然に再生された森林の方がはるかに安上がりで、かつ炭素が豊富で、生物多様性に優れていることが多いことはずっと以前から分かっていました。今回の研究は森林の再生がどこで、なぜ起こっているのかを明らかにしました。そしてそれは地球上の他の場所でも再現することが可能であることを教えてくれます」と述べ、「しかしこの森林の再生は当たり前と考えることはできません。森林伐採は再生より毎年何百万ヘクタールも上回っています」と訴えた。

この研究で森林が再生しつつあるとされた地域の中に、残念ながら日本は含まれていない。環境省は「2050年カーボンニュートラル」 を目標に掲げ、あと30年足らずで二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いてゼロを達成することを目指している。そのためにはエネルギー産業が二酸化炭素排出の削減に取り組むだけではなく、森林を再生する努力が国全体で取り組む必要がありそうだ。


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