EVENT | 2021/05/06

「仮想通貨トレーディングセンターを築地再開発の目玉に」東京都議会議員がブロックチェーンに託す夢

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今年3月、東京都議会の場で初めてビットコインに関する提案をした議員がいる。...

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今年3月、東京都議会の場で初めてビットコインに関する提案をした議員がいる。都民ファーストの会・伊藤ゆう議員だ。都議会の与党である同党は、ビットコインなどの仮想通貨、そして、それらを成り立たせているブロックチェーン技術によって東京都再興を目指しているという。彼らはいま何を考え、どう動こうとしているのか。伊藤ゆう議員、そして入江のぶこ議員に話を聞いた。

文・聞き手:米田智彦 構成:松本香織

伊藤ゆう

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東京都議会議員(目黒区選出)。都民ファーストの会 幹事長代理。 1976年、両親共働きのサラリーマン家庭に生まれる。成蹊学園高等学校卒、早稲田大学第一文学部卒。公立中学校で感じた教育格差が政治の原点に。2003年、目黒区議会議員選挙、最年少当選(26歳)。2005年、東京都議会議員選挙、最年少当選(28歳)。2期連続トップ当選を果たし、21年ぶりの議員提案条例「省エネ条例」を創案し、成立に導く。2013年、東京議会議員選挙で1214票差で次点落選。落選中は、日本語学校を創業するなど経営の経験も積む。2017年、民進党を離党し、都民ファーストの会の創設メンバーに。東京都議会議員選挙に3度目のトップ当選。新型コロナ対策特別委員長のほか、経済港湾委員長、オリパラ特別委員会副委員長、議会改革検討委員長などを歴任。会派の政調会長代理として「新型コロナ対策条例」「五輪文書保管条例」「子どもを受動喫煙から守る条例」など議員提案条例づくりを行い、成立に導いた。

入江のぶこ

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東京都議会議員(港区選出)。都民ファーストの会東京都議団 総務会長代理。所属委員会:財政委員会、オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会。元フジテレビ編成制作局部長職。著書「自ら学ぶ子どもに育てる〜息子2人が東大に現役合格した、ワーキングマザーの子育て術」(あさ出版)

富を生み出す「ブロックチェーン」を成長戦略の柱に

伊藤ゆう 東京都議会議員(目黒区選出)

―― 伊藤議員は東京都議会の場で、初めてビットコインに言及したそうですね。どのような意図があったか聞かせて下さい。

伊藤:3月9日の予算特別委員会で、東京都を国際金融都市にするために暗号資産を検討項目に加えるべきだと訴えました。みなさんご存じのとおり、小池百合子都知事は現在、東京都の国際金融都市化を政策に掲げています。しかし、ロンドンやマカオ、香港に勝つのは簡単ではありません。

では、どうすればよいか。私たちが調べたところでは、国際的な金融機関がどれだけその都市に集まっているかが勝敗の鍵を握ります。東京都は残念ながら、その点で立ち遅れている。そうなると、仮想通貨でどれだけ先進できるかが重要になります。実は2018年時点では、ビットコイン保有に占める日本円の割合は52%ほどでした。それが2021年の段階では6%にまで落ち込んでいます。その理由はビットコインに対する税制にあるのではないかと予算委員会では語りました。

折しも東京都ではIT企業出身である宮坂学副知事のもと、デジタル環境の整備に取り組み、最先端都市を目指している最中です。私たち都民ファーストの会は、築地市場の再開発の中心を仮想通貨のトレーディングセンターにしようと考えて取り組んでいます。私たちの党には、金融機関やデジタル分野出身者や、それらの方面とのネットワークがある入江のぶこさんのような議員が多いんです。

入江:国はコロナ禍にあって赤字国債を刷っています。東京都でも、ブロックチェーンのように富を生み出せる技術を成長戦略に据え、新たな財源創出をしなければと。ブロックチェーンは本来、取引記録を改ざんできないようにする技術で、仮想通貨以外にも適用できます。最近ではルイ・ヴィトンが商品の製造工程や真贋の確認を可能にするために利用するなど、非金融領域での活用が始まっており、「ブロックチェーン3.0」のフェーズです。私たちの党は都議会でeスポーツ産業の後押しをしてきました。ブロックチェーンでも同様の取り組みをしていきます。

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