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文:ヤジマミユキ
いまや私たちの生活必需品となったスマートフォン、パソコンなどのデジタルデバイス。新型コロナウイルスの感染拡大によって人と直接会えなくなった昨今、人と人をつなげる欠かせないツールとなった。
そんな中、アイケア製品を販売するイギリス企業『Vision Direct』は昨年、調査会社『OnePoll』に依頼し、アメリカ、イギリスの成人、それぞれ2000人を対象に、デジタルデバイスに関する調査を実施。衝撃の調査結果が話題となっている。
コロナ禍以降はさらに大幅に増加
今回実施された調査によると、アメリカ人は1日平均17時間9分、デジタルデバイスの画面の前で過ごしていることがわかった。内訳は1日平均テレビに4時間30分、スマートフォンに4時間33分、ゲームデバイスに3時間以上、パソコンに5時間近く。つまり年間で約6259時間、生涯のうち44年もの時間を費やしていることが判明した。
イギリス人を対象とした調査でも、デジタルデバイスの画面の前で過ごす時間が、年間平均4866時間、生涯34年もの長さになることがわかった。コロナ禍のロックダウンによって、これらの時間はさらに大幅に増加しているという。
『Vision Direct』の光学技術者であるベンジャミン・デュメイン氏は、今回の調査結果を受けて、「このコロナ禍で、外部とつながることができるデバイスがあるのは幸運なことです。30、40年前に同じようなパンデミックが起こっていたら、まったく別の方法で人と関わる方法を模索しなければならなかったでしょう」と述べながらも、「過剰に画面を向かい合うことは、私たちの目の健康を害し、悪影響があると気づくことが重要です」と注意を促した。
今回の調査に回答した10人に7人は、長時間デジタルデバイスの画面を見た後に頭痛、かすみ目、その他のデジタル眼精疲労の症状を経験しているとのこと。また、5人中2人が1時間ごとに休憩せずに見続けており、さらに約20%はまったく目を休めたことがないと回答。このように長時間没頭することは、身体だけでなく、精神的な健康や人間関係にも影響を与えるだろう。
実際、アメリカ人は、毎朝起きてから平均10分以内にデジタルデバイスの画面を見ており、リモートワークの休憩中でも半分の人がFacebookを見て過ごしており、残りの42%がYouTube、10人中4人がTwitterを見ているという。
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