EVENT | 2020/12/14

「温泉愛」を90分語り尽くす!無料オンライントークイベント「BIGLOBE Styleイノベーションミーティング:オンライン」vol.2が12月18日に開催

温泉オタクの永井千晴さん(写真左)とBIGLOBE温泉大賞担当の西尾真由美さん(写真右)
BIGLOBEは12月18日...

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温泉オタクの永井千晴さん(写真左)とBIGLOBE温泉大賞担当の西尾真由美さん(写真右)

BIGLOBEは12月18日(金)の20時から、オンライントークイベント「BIGLOBE Styleイノベーションミーティング:オンライン」vol.2を開催する。

同イベントは、毎回テーマに沿ってゲストを招き、忌憚なく意見を交わす無料のオンライン企画。今回のテーマは「温泉会議」。BIGLOBEでは2008年から全国の温泉地・温泉宿を表彰する「温泉大賞」という催しを毎年実施してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く今年は表彰・発表を行うイベントの開催を断念した。だが、温泉を盛り上げる活動を止めてしまうことはせず、今回のような企画を次々と打ち出していくとしている。

今回のイベントでは、BIGLOBEが認定した「七人の温泉賢人」から温泉ビューティ研究家・旅行作家の石井宏子さん、温泉オタクの永井千晴さんを招くほか、タレント・ラジオDJとして活躍する旅好き・温泉好きの三原勇希さん、そしてBIGLOBE温泉大賞担当の西尾真由美さんに登場いただき、新型コロナ感染拡大やGo To キャンペーンなどで激動の温泉地の現在や、今こそ行くべき厳選の温泉宿、そして温泉地でのワーケーションなど温泉を支援する方法をテーマに「温泉会議」と題して、トークセッションを行う。

本記事ではその前哨戦として、BIGLOBE温泉大賞担当の西尾真由美さん、温泉オタクの永井千晴さんをお招きし、「BIGLOBEがなぜ温泉なのか」「コロナ禍の中でどんな温泉地にいくのがベターか」という話をうかがった。

聞き手・文・構成:神保勇揮 写真:赤井大祐

10年以上温泉地・宿を盛り上げてきたBIGLOBEがコロナ禍で何をするか

―― BIGLOBEはこれまで「BIGLOBE旅行」というオンライン予約サービスを展開する中で、温泉地を盛り上げるための様々な取り組みを実施されてきました。まずその内容に関して教えていただければと思います。

西尾:BIGLOBE旅行の取引先である温泉地・温泉宿を盛り上げることが私たちのビジネス発展にもつながるということで、年に一度「温泉大賞」というイベントを2008年から行ってきました。私はこのイベントのプロデューサーをしています。

このイベントはBIGLOBE旅行のユーザーでない方も含め、「今まで行った中で一番良かった温泉地・温泉宿を投票で決める」という取り組みです。それに色々アレンジを加え、5回目からは今の温泉地、ホテル・旅館のそれぞれを東西番付形式で紹介したり、温泉のゆるキャラ投票、一緒に温泉に行きたい芸能人ランキングなどもやりました。そうした中で去年の第11回には表彰式も実施できました。少しずつ認知が上がってきてはいますが、まだまだやれることはあると思っています。

第12回 BIGLOBE 温泉大賞「温泉地部門 番付表」

第12回 BIGLOBE 温泉大賞「旅館・ホテル部門 番付表」

―― 2020年の温泉大賞は残念ながら新型コロナの影響で表彰式が実施できなかったわけですが、今回は温泉をテーマにしたオンラインイベントを開催しますね。

西尾:BIGLOBEとしても何か温泉地を盛り上げるような取り組みができないかということで、部署の垣根を越えたタスクフォースを結成し話し合いを重ねました。それに先立って今年5月ぐらいに、これまで知り合った温泉宿の方に「何をしてほしいか」というインタビューをしたんです。「ホテルのアイテムを売ったらどうか」「オンラインツアーはどうだろう」といろいろ考えてはみたものの、実際に宿の方に話を聞くと「現地に人を運んでほしい」というニーズが一番強かったんです。

ではBIGLOBEで何ができるのかと。インターネットの会社ですし現在はほとんどの社員がテレワークをしていたので、菅首相もおっしゃっていたワーケーションというテーマならお手伝いができるんじゃないかと。それでもう一度インタビューをしたところ、ぜひやってみたいですという声をいただけたので、11月3日=いい温泉の日に「ONSEN WORK」という取り組みが始まりました。

2人の温泉賢人が「今ならでは」のオススメスポットを教えてくれる

西尾真由美さん

―― 今回のオンラインイベントはどのような内容になるのでしょうか?

西尾:「BIGLOBE Styleイノベーションミーティング:オンライン」はSDGsに関連する内容を取り上げていこうという考えのもとで企画しているのですが、今回の「温泉」ですと地方創生の観点があります。温泉に造詣の深い方々をお呼びして「今だったらこういう温泉地が良いのでは」というおすすめを紹介すると同時に、ONSEN WORKの取り組みをご説明することも考えています。

―― イベントには西尾さん、そしてBIGLOBEが認定した「温泉賢人」の一人として永井さんも出演されるわけですが、温泉賢人とはどのような方なのでしょうか?

西尾:温泉大賞は一般の方の投票を募るものですが、もう少し広い目線も有する方々をBIGLOBEとして男女7名セレクトさせていただいて、その方々の観点によるレコメンドをお願いしたいというのが選定の趣旨です。それぞれ違う切り口で選んでいただければと思っています。

投票では浮き彫りにならないかもしれないけれど、素敵な宿も積極的に紹介していただきたいという思いがあります。

―― 永井さんが「温泉賢人」に選ばれたのはなぜですか?

永井:私はTwitterで「温泉、大好き!」と言っているだけのオタクなので珍味枠です(笑)。「良質な温泉地情報」はこれまで、地域の方々と密接なコミュニケーションを取り、ようやく抽出できた情報がマスメディアに掲載されるという流れがメインでした。あまり今風の「バズり」とは無縁だったところがあったのですが、そうした意味では「違う観点を持っているかもしれない」ということで選定いただいたのかもしれません。

―― 永井さんはかつて旅行雑誌の編集者だったんですよね。

永井:はい。さらにその前には学生時代にバイトで温泉地を取材しウェブメディア向けの記事を書く、ライター活動をしていたことがあったんです。その時に半年間かけて、全国を車中泊しながらひたすら各地の温泉地をレポートしていました。そうした仕事を経て温泉のことがすごく好きになったので「これを仕事にしたい!」と思って門を叩いたのがリクルートのエリア誌『関東・東北じゃらん』編集部でした。そのあとは温泉とはまったく関係のない会社に就職したので、日々働いて稼いだお金で温泉に行き、「良かったよ!」ということをTwitterに書いて今に至ります。

―― 永井さんが先日出版した『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』を読んだ感想としては「ウェブメディア以降の時代に待ち望まれた入門書だ」というのが第一印象でした。2010年代にまとめサイトや旅行予約サイトのオウンドメディアが乱立し、本当に現地に行ったのか、詳しい人による文章なのかわからないような情報が溢れて検索の難易度が上がっていた中、かつてなら個人サイトやブログをやっていたようなオタク層の人たちによる情報発信が、TwitterやInstagramなどで再び注目されるようになり、「そうそう、まずこれが知りたかったんだよ!」というかゆいところに手が届くような内容だと感じました。

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(幻冬舎)

永井:ありがとうございます。1990年代から2000年代にかけて作られ、まだ更新され続けている良質な玄人サイトもいくつかあります。でも、今の環境だと多くの人はそこまでたどり着けないですよね。温泉のいい情報を、もっと今っぽく、140字にまとめて紹介することをずっとやってきた感じです。

温泉地ワーケーションの「企業にとっての」メリットは何か

「ONSEN WORK」のトップページより

―― 今回のイベントではONSEN WORKの話も出てくると思うんですが、これについても教えていただけないでしょうか。

西尾:サイトでは全国各地の「ワーケーションにおすすめの温泉宿」を掲載すると同時に、効果的なワーケーションの実現に向け、健康増進に効果的な温泉の入浴方法や在宅勤務の疲れがとれるストレッチ方法、肩こり、腰痛などの症状に合わせた温泉が選べる温泉ガイドも紹介しています。加えて実証実験としてワーケーションを利用する企業側も集めたいので、声掛けをしている段階です。

サイトに掲載する宿は、基本的にWi-Fiがしっかりしていて、現地で仕事ができるというところと、あとは机・イスをはじめとした働く環境が館内もしくは近隣にあるといった環境が整っているところというところにお声がけをしています。

―― ワーケーションというと、世間一般のイメージとしては「個人・フリーランスがやるものでしょ」という印象がまだ強いと感じます。企業・部署単位でワーケーションをするというのは、どんな効果を見込んで行うものなのでしょうか。

西尾:BIGLOBEでも実証実験として、湯河原と仙台のわたり温泉、別府の鉄輪温泉に行ってきました。私自身も行ったんですがその感想としては、チームで行くと団結力が高まるというのはありますし、ずっと家でテレワークをしていたこともあり、メンタル面が弱ってしまうという人もいるので、そういう人にとっては開放感があって良かったと。企業にとっては在宅でずっと仕事をしている人たちにフォーカスを当てると転地効果(普段の生活と違う環境に身を置くと心身が刺激されストレスが軽減されること)もあって、しかも温泉に入って元気になれるというところもあって良いのかなと思っています。

実証実験では日本健康開発財団さんと一緒に、どんな効果があるか、血液検査や唾液の採集などを通じてどうだったかというデータを集めてもいます。それらを踏まえていろんな企業の方に「一緒にやってみませんか?」とお声がけをしてきたいなと思っています。

―― 永井さんはすでに温泉地でワーケーションを体験してみたこともあるそうですがが、会社では自宅以外での勤務もOKという制度になっているんですか?

永井:私が所属する会社はわりと自由で土日に働いて平日に休んでもいいですし、勤務開始時間も決められていません。私の場合は事前に「この日は湯河原に行ってきます。移動中や夕食中は連絡の返事が遅れるかもしれません」ということを言っておけばOKという感じです。そうした事前調整は必要ですが、そこまでハードルは高くないですね。

―― ワーケーションに対する批判的意見としては「観光地で働くなんて、仕事に集中できないんじゃないの?」というものもあったりしますが、その辺りについてはどう感じますか?

永井:これは温泉あるあるだと思うんですが、温泉に浸かって夕食を食べ終わっても「まだ20時なんだ!?」みたいなことって結構あると思うんです(笑)。時間の流れがゆっくりに感じられるというか。

普段夜遅くまで働かないという方は辛いかもしれないですが、人によってはこのぐらいからが一番集中できる時間帯だったりするじゃないですか。それが23時、24時までかかってしまったとしても、普段寝る時間とそんなに変わらなかったりするので、トータルの働く時間としてはそこまで変わらずできるんじゃないかと思っています。

西尾:「この作業が終わったら温泉に入れる!」と思うと、結構頑張れますよね(笑)。

永井:そうなんです。「このメール、気軽に即レスはできないな…」っていうような仕事があった時は「とりあえず温泉浸かって頭を切り替えようっと」ってできますし(笑)。

「落ち着いたらあの温泉に行きたい」と考えるだけでも気分が高まる

永井千晴さん

―― 最後に改めてイベントのおすすめポイントをお聞かせいただければと思います。

西尾:温泉賢人の皆さんには、以前それぞれのおすすめ温泉をたくさんお聞きしていたんですが、その情報がまだ全部は発表できていないんです。なのでイベント当日はその辺りも改めて皆さんに発表できるようにしたいと思っています。イベントには永井さんに加えて温泉ビューティ研究家・旅行作家の石井寛子さんにも出演いただくので、半分ぐらいはそうした「最近気になる温泉」「もっと盛り上げたい温泉地」といったトークになると思います。

永井:私もそのおすすめリストを見せてもらった時は「大先輩が選んだ超貴重なリストを手に入れたぜ…!」という気持ちですごく嬉しかったですし、今後も絶対に捨てないと思います(笑)。

一方でそのリストを見て1つだけ思ったのは、温泉にかける金額感が普通の人より結構高いかもなということでしたね。そのギャップはちょっと生じてしまうかもしれないというか。

あくまで私の感覚でしかないですが、一般の人は1泊2万円を超えたら高級宿だと思うんです。ただそのリストだと5万、6万の宿もたくさん出てきます。私も全然泊まったことがないところも多いなと。とはいえそれだけの価値はある宿ばかりだとは思います。

西尾:本当にその地域やジャンルの最高峰の宿も多いですし、Go TO トラベルがあるこのタイミングだから行けるっていうところもあると思います。イベント当日、おそらく石井さんは永井さんのおっしゃるようなハイクラスの宿をたくさん紹介されると思うんですが、一方で永井さんは一般層でも気軽に行けそうなところを紹介していただけそうだなと。

永井:確かに「Go Toがあるこのタイミングだから行ける」という観点だと紹介の幅も広がりそうですね。

おもてなしや食事、施設クオリティなど総合点を求めるとどうしても高くなってしまうのですが、私は「湯そのものがどうか」という観点を最重要視するタイプなので、「少古い宿でも大丈夫」となるとさらに色々選べるようになると思います。

西尾:賢人の皆さんは泉質にこだわっているので、その観点でのお話が聞けるというのも面白いと思います。

永井:「宿泊料金が高い分、施設も料理もすごく良い」という宿でも、意外とお湯そのものは普通だなというところも中にはあります。ただ温泉賢人の皆さんのレコメンドは「確かに全部良い!」というところがピックアップされているんだろうなというところに期待したいです。

―― ちょっとイベント内容の先取りになってしまうかもですが、今、この冬のタイミングでも、「ここに行くのならアリなんじゃないか」という温泉地があるとすれば、どこだと思いますか?

永井:東京発、1泊2日ということで考えると、やはり箱根とか熱海みたいな賑わっている街は難しいですかね…。私はよく福島の高湯温泉を推してるんですが、結構山奥にあるものの福島駅から送迎バスが出ていて、周りに旅館しかないんです。「旅館でゆっくりする」以外の選択肢がない温泉地って結構あって、そういうところであれば「密」をあまり感じずに滞在できると思います。似たようなところでは群馬県のみなかみ温泉郷も良いと思います。

―― 西尾さんはいかがですか?

西尾:私の場合は家族がいるので、「子どもが楽しめる場所がいいかな」というポイントが探す基準になっていますね。このコロナ禍の状況ですとそこまで遠くには行けないですし。

永井:「行ってあげてほしい」という意味で言えば、こうした温泉大賞みたいなイベントでも言及されない、小さな温泉地も行ってあげてほしいですね。メジャー温泉地は黙っていても人が来るようなところも結構ありますし、穴場を探す楽しみもあると思います。

西尾:そうですね。今回のオンラインイベントでも、コロナで大変な時期ではありますけど、温泉のプロの方々のご意見がいただけるので、少し気持ちをリラックスさせて話を聞いていただいて、「ちょっと行ってみたいな」と思っていただければ嬉しいです。

永井:本の担当編集者から聞いた話ですが、旅行雑誌・旅行本の売上は今もそんなに落ちてないみたいです。みんな旅行に行きたいけれども今すぐには行けないから、本を読んで「気分を高めたい」「次はここに行こうかな」と思いながら過ごしているんじゃないかなと思うので、それをこのイベントでも楽しんでいただければなと思います。


「BIGLOBE Style イノベーションミーティング:オンライン」vol.2
日時:2020年12月18日(金)20時開始(21時半終了予定)
参加費:無料
閲覧方法:以下の動画を再生することで、閲覧できます

<登壇ゲスト>
石井宏子(温泉ビューティ研究家・旅行作家)
年間200日を国内外の旅で費やす。雑誌や新聞などに旅コラムを書き、テレビ・ラジオにも出演。温泉や食、自然環境を通じて美しくなるビューティツーリズムを研究。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ理事。著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖」(世界文化社)「感動の温泉宿100」(文藝春秋)他。https://www.onsenbeauty.com/

永井千晴(温泉オタク)
1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。

三原勇希(タレント・ラジオDJ)
大阪府出身。雑誌「nicola」モデルとしてデビュー。MC、ラジオやpodcastでのパーソナリティ、レポーター、執筆等「伝える」活動をアクティブに行なっている。趣味は音楽・映画鑑賞とマラソン。

西尾真由美(BIGLOBE旅行・温泉大賞担当)
BIGLOBE旅行サービスおよびBIGLOBEが主催する「温泉大賞」を担当。温泉をこよなく愛し、全国の温泉を巡っている。温泉ソムリエ。