CULTURE | 2019/03/12

BIGLOBE「第11回 温泉大賞」を発表。専門家が語る人気温泉地のトレンド、インバウンドの潮流とは?

文:岩見旦

日本全国の温泉地や旅館・ホテルの番付を決めるBIGLOBE「みんなで選ぶ 第11回 温泉大賞」が発表さ...

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文:岩見旦

日本全国の温泉地や旅館・ホテルの番付を決めるBIGLOBE「みんなで選ぶ 第11回 温泉大賞」が発表された。本企画は、ユーザー投票により東日本エリア、西日本エリアの人気の温泉地や旅館・ホテルを紹介するもの。

みんなで選ぶ 第11回 温泉大賞 温泉地部門と旅館・ホテル部門

温泉地部門は、東日本エリアは草津温泉(群馬県)が11年連続で、西日本エリアは別府温泉郷(大分県)が4年連続で「横綱」の座を守った。また旅館・ホテル部門では、東日本エリアは鬼怒川温泉 あさや(栃木県)が、西日本エリアは杉乃井ホテル(大分県)が「横綱」に輝いた。

原田龍二さん、壇蜜さん、ダチョウ倶楽部さん

壇蜜さん

授賞式には俳優の原田龍二さん、タレントの壇蜜さん、お笑いトリオのダチョウ倶楽部さんが駆けつけ、大いに盛り上げた。

イベント中盤には、温泉の美容力を研究する温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、BIGLOBE「温泉大賞」担当の大藏浩さんとともに登壇し、今回の番付の総括を行った。

ランキング総括の様子

地元住人による街づくりで人気の月岡温泉

まずは、温泉地部門 東日本17位にランクインした月岡温泉(新潟県)をピックアップ。女性を中心に投票を獲得し、昨年と比べ3倍の得票数を得てランクアップを果たした。

月岡温泉は硫黄が非常に濃いという特徴があると石井さん。硫黄泉は血行を良くして、身体を中からキレイにしてくれる「インナービューティー」の効果があると紹介。また月岡温泉は「日本一まずい温泉」と自称しおり、実際に飲泉した経験のある石井さんは、硫黄は苦くて匂いが強く、インパクトが大きかったという。

また今回大きくランクを上げたことに関して、月岡温泉は地元住人が中心となって「歩きたくなる温泉街」というテーマで街づくりを始めたことが大きな要因であると指摘。月岡温泉では新潟の日本酒やワインが試飲できる店や煎餅のアウトレットを買える店、お米のスイーツが味わえる店などを歩ける範囲に作っている。

「神戸みなと温泉 蓮」でヘルスツーリズム認証のウォーキングプログラムを体験

続いて、旅館・ホテル部門 西日本5位にランクインした「神戸みなと温泉 蓮」(兵庫県)を紹介。このホテルにはたくさんのサプライズがあると石井さん。神戸・三宮の湾岸エリアという立地にも関わらず温泉があり、しかもハーバービューで楽しめるという。

さらに、「神戸みなと温泉 蓮」はヘルスツーリズムに本格的に力を入れているところも個性を際立たせたポイント。ヘルスチェックをして、体調や身体の悩みに合わせた温泉の入り方ができると石井さん。潮風を浴びながらウォーキングできるプログラムは、日本ヘルスツーリズム振興機構、日本規格協会、日本スポーツツーリズム推進機構の三者が運営する「ヘルスツーリズム認証」も取得している。

石井宏子さん

個性的な温泉宿がトレンドに

20室以下に限定した番付において、石井さんは個性がはっきりしている温泉宿が上位にあがっていると指摘。温泉や料理だけでなく、ファスティング(断食)が素敵な空間でできる、猫がたくさんおもてなしをするといったユニークな温泉宿もあるという。

この傾向は小さい宿だけでなく大きい宿にも当てはまると石井さん。そこに行かなければ体験できない感動があるかが重要であるとし、また高級志向・ファミリー向けといったゾーニングがはっきりしている温泉宿の人気が上がっていると述べた。

温泉に来ている外国人観光客は「日本リピーター」

今回の温泉番付では「外国人観光客におすすめの旅館・ホテル」も新設。増加するインバウンド需要に関して、温泉に来ている外国人観光客はすべて「日本リピーター」であると石井さん。

富士山や京都などの観光名所を回ったあと、さらに素敵な日本を求めている外国人観光客が、新たな体験を求めて日本中の温泉地を求めていると語った。そこでしか出来ない体験を求めて外国人観光客が温泉地に来ていることを、温泉地で働く人は認識して迎えてほしいとした。

2020年の東京五輪を迎えるに当たり、温泉が世界からさらに熱視線を集めることは間違いなさそうだ。


みんなで選ぶ 第11回 温泉大賞(2019)