CULTURE | 2020/11/28

Netflixの『マイクラ』映像化の陰に『フォートナイト』あり。なぜ、今ゲーム原作の映画が増えているのか?【連載】ゲームジャーナル・クロッシング(1)|Jini

ゲームジャーナリストJiniと共に、作品、カルチャー、そしてビジネスなどあらゆる角度からゲームの最前線に迫っていく連載「...

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これからは「インタラクティブ・ドラマ」にも注目

原作ゲームを尊重することで、ファンに訴えかけていった『ウィッチャー』や『名探偵ピカチュウ』などが評価されたことで、ゲーム原作映画が増えつつある現状はわかった。

私はズバリ、ゲームを原作とした「インタラクティブ・ドラマ」を見てみたいと思う。インタラクティブ・ドラマ、つまり「双方向的ドラマ」とは、視聴者がリモコンやタッチパネルなどを通じて、物語の選択肢を選ぶことができるタイプのドラマのことだ。

すでにインタラクティブ性を取り入れた実験作は次々と発表されており、中でもNetflixの『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』は素晴らしい作品だった。ゲームを愛するオタク少年が実際にゲームを作ろうとするが、どんなゲームを作るか、またゲームを作る上でのトラブルをどう回避するかを、視聴者は主人公の代わりに選ぶことができるが、徐々に主人公は自分の人生が操られているような感覚を覚えて……という、『ブラックミラー』ならではのゾクゾクするスリルとインタラクティブ性が見事に融合した傑作だ。

一方、ビデオゲームは「インタラクティブ・メディア」と元々呼ばれていたぐらい、プレイヤーとの双方向的な表現を模索した文化だ。古くはミステリーゲーム、デートシム、RPGなどあり、最近ではQuantic Dreamの『Detroit: Become Human』など映画同然のリアルな描写で無数のルートに分岐する物語を楽しめるような意欲作も増えている。

「インタラクティブ・ドラマ」はまさに、お互いを求めて走り出したゲームと映画のランデブーポイントなのだ。映画ならではの映像表現、そしてゲームならではの双方向性。その2つの性質をうまく取り込むなら、やはり元々インタラクティブ性の備わったゲームを原作に作品を作るのが手っ取り早いように思うし、今後のゲーム原作映画はきっとインタラクティブ・ドラマが中心になるはずだ。

個人的には、来る『ウィッチャー』のシーズン3あたりで、ゲラルトが誰と一夜を過ごすか選べるようになったらすごく面白いと思う。


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