LIFE STYLE | 2020/04/15

ロックダウン生活5週目突入!経済補償は?オンライン授業は?オランダのリアルをお伝えします【連載】オランダ発スロージャーナリズム(23)

いつもは大変な賑わいを見せる花屋と、サンドウィッチスタンドも開店休業状態
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吉田和充(ヨシダ ...

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一度、きちんとした自粛やロックダウンを行う必要があるのではないか?

筆者はいわゆる専門家ではないため、あくまでも一生活者としての感覚ではありますが、オランダで1カ月以上行われているロックダウンの成果は、まだまだ劇的には表れていないと感じており、このままだと3カ月以上に及ぶのではないか?と感じています。

また、オランダのロックダウンは「インテリジェンス・ロックダウン」といって、家族以外は3人以上まとまらない、他人とは1.5mほど離れるなどなどのいくつかの条件を守れば「自由と寛容の国」オランダらしく、意外と自主性に任されています。そのためか? 実際には若者などに違反者などがかなりいて、罰金も多く取られています。天気の良かったイースターの休日には1800件の違反者が罰金を取られたようです。どちらかと言うと、言われたことを守ることが得意な日本人的な目から見ると、「結構緩いなあ」というのが、正直な感想でもあります。例えば、ジョンソン首相がコロナに感染してしまった英国などでは、オランダのロックダウンに対して「甘すぎる」という批判があったりもします。

もっとも、世界でもいち早くロックダウンに入った一部の国(デンマークやチュニジア)では、すでに解除に向けて少しづつ動き始めている国もあるようです。

こういう状況を見ていると、日本は早く、一度きちんとした自粛というか、ロックダウンに入ったほうがいいのではないか?という気もしています。もちろん、そこには休業や経済を止めることに対しての、補償がないと出来ないとは思います。何百億円もかけてマスクを配るという政策は、オランダにはありません。そのお金は少しでも休業補償に回せたりしないものでしょうか。自粛が中途半端に実施されることにより、日本だけいつまでも感染拡大が長引いてしまうと、経済的なダメージがより大きくなってしまうのではないかと思うからです。

確かに、このような未曾有の事態に直面しているので、何が正解か誰も分からない状態ではあります。また、日本での死亡率は実際に非常に低いように思います。しかし海外から見た場合、今の日本の状態は恐ろしく感じてしまうのです。

マスクといえば、オランダではあまりマスクをしている人は見かけません。それでも、さすがに最近はちらほらといることはいるのですが、基本的には医療関係者など必要としている人に優先的にまわしているという感じでしょうか。

2月、まだオランダでもこれほどコロナが蔓延していなかった時に、オランダはマスクを中国に送ったのですが、そのおかげで現時点では医療従事者へのマスクが不足してきているようです。一方で、逆に今は中国からヨーロッパの国に大量のマスクが送られてきています。もっとも、かなり不良品が多く使えないようですが。