未来社会の実験場としての万博を振り返り、科学・デザイン・建築の挑戦を次代へ
「未来社会の実験場」 を掲げて開催された大阪・関西万博。その成果を一過性のイベントで終わらせることなく、未来へと手渡していく試みが始まる。日本科学未来館 は、アフター万博企画の第一弾として、「みゃくみゃくとつなぐ展 ~万博とひらく未来~」 を2026年2月18日(水)から4月13日(月)まで開催する。
本展は、大阪・関西万博 で提示された数々の挑戦を、改めて東京で検証し直す場である。未来の食やヘルスケアに関する先端科学技術、市民参加を促したデザインの仕組み、そして常識にとらわれない建築の試みを通して、万博が社会に残した問いと可能性を可視化する。
会場では、万博で注目を集めた実物展示が再び公開される。本物の和牛細胞を培養し、3Dバイオプリント技術で作製された 「家庭で作る霜降り肉」 は東京初公開となる展示であり、食の未来像を具体的に想像させる存在だ。また、iPS細胞から作られた 「心筋シート」 は、再生医療の最前線を伝える展示として、生命のダイナミズムを来場者に実感させる。
また1970年大阪万博の象徴的存在であった 「人間洗濯機」 を現代技術で再構築した 「ミライ人間洗濯機」 も再登場する。さらに、視覚障害者の移動支援を目的とした自律型ナビゲーションロボット 「AIスーツケース」 も展示され、万博での実証実験を経て社会実装へ向かうプロセスが紹介される。
今回の万博では、“こみゃく” と呼ばれる二次創作がSNSを中心に広がり、市民が主体的に関わるムーブメントが生まれた。その背景にあったのが、「開かれたデザイン」 を掲げた万博のデザインシステムである。本展では、クリエイティブディレクターの 引地耕太 によるプロポーザル資料や年表を通じて、デザインがどのように公共的な参加と共創を促したのかをひも解く。
会場には、市民によって生み出された “こみゃく” の展示も並び、トップダウンではなくボトムアップで万博を盛り上げた力が可視化される。また、7人のコンポーザーが手がけたサウンドスケープも再現され、命や街、自然をテーマにした音が、会場全体を一つの生態系として包み込む。
建築の視点からも、本展は万博の意義を掘り下げる。象徴的存在であった大屋根リングについては、設計者である 藤本壮介 のコンセプトを映像で紹介するほか、若手建築家が手がけた休憩所やトイレといった施設建築にも焦点を当てる。
石材を用いたコストの再考、空気膜構造の再解釈、万博終了後の利活用を見据えた設計など、これらの建築は未来社会に向けた実験そのものであったことが示される。建築が社会とどう関わり、どのように更新され得るのかを考える視点が、ここにはある。
詳細については公式ホームページをチェックしてほしい。
みゃくみゃくとつなぐ展 ~万博とひらく未来~
会期:2026年2月18日(水)~4月13日(月)
会場:日本科学未来館1階 シンボルゾーン
開館時間:10:00~17:00
※初日2月18日(水) のみ13:00から開始
入館料:無料 (常設展やドームシアターへの入場は別途料金)
主催:日本科学未来館
後援:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
クリエイティブディレクション・アートディレクション:引地耕太 (VISIONs)
協力:株式会社ワントゥーテン、一般社団法人COMMONs
公式ホームページ
https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202602034396.html