文:神保勇揮
2018年もいよいよ大詰め。FINDERSでは毎週月曜日の朝7時に、映画監督の神保慶政さんが執筆する書評記事を掲載しているのですが、せっかくなのでアクセスランキングベスト5を作ってみました。
本のセレクトのほぼ全てを編集部の神保(まさかの同姓でわかりにくいですが)が担っており、FINDERSが想定する読者に読んでほしい本、単純に自分が読みたい本はもちろん(笑)、「こういう内容の本だとどれぐらいPV出るんだろうな」と実験的に選んでみた本と、さまざまあります。
あらゆる記事において、アクセスの多い記事だけがイコール良い記事というわけではありませんが、実際にアクセスが多かった本はその後書店でも「売れてます!」的な平積みをされているのを見かけたりして、結構連動するものなんだなと思ったりもしました。
ちなみに過去のブックレビュー記事はここから全て読めますので、年末年始に何を読もうかな…と思っていた方は参考にしてみてください!
【第1位】原田賢『忙しいビジネスパーソンのための自律神経整え方BOOK』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
記事タイトル:「これが自律神経失調症…?」多くのビジネスパーソンの悩みを解決する一冊
https://finders.me/articles.php?id=422
「最近、自律神経がなんかおかしくてさあ」なんていう会話をみなさんも周りで聞くことが少なくないと思うのですが、結構そんな風に思ってる人が多いのでは?と選んでみたところドンピシャでした。気になってる方は今からでもぜひ読んでみてください。
【第2位】日経トップリーダー編『なぜ倒産 こうするよりほかになかったのか―』(日経BP)
記事タイトル:会社倒産!その「兆候」はあなたの会社にも迫っているかもしれない
https://finders.me/articles.php?id=446
ウェブメディアの世界では、ネガティブワードをタイトルに入れるとPVがよく出るという傾向にあるのですが(スキャンダルが載った週刊誌が売れるのと同じ構造ですね)、それを差し引いても「成功の方法」ばかりがメディアに取り沙汰される中で、「なぜ失敗したか」はそもそも取材するのが簡単でなかったりして、なかなか世には出てこない貴重な情報です。
これまでにインタビューしてきた人の中でも「勝つこと以上に負けない方法を知っていることの方が重要」と話す方は少なくありません。ビジネスにおいて「やってはいけないこと」を知っておくことは何よりも重要なのだと思います。
【第3位】カワノアユミ『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イースト・プレス)
記事タイトル:キャバ嬢本人が語る、知られざる「海外日本人キャバクラ」の世界
https://finders.me/articles.php?id=204
これはタイトル・表紙を書店で見た瞬間に「これ絶対面白いやつだ!」と確信しました。香港・タイ・シンガポール・マレーシアなどなど、世界各国の「日本人キャバクラ」を渡り歩いてきたカワノさんの体験記は、悲壮感も気負いもなく楽しみ、同じ店で働く女の子やアジアの新興国で暮らす日本人駐在員などを冷静に観察している様子が非常に興味深かったです。
あまりに興味深すぎてカワノさんご本人のインタビューも実施していますので、こちらもぜひご覧ください。ちなみに「海外 キャバクラ」というワードで結構な数の検索流入が来ています(笑)。
アジアでNO.1になった底辺キャバ嬢が見た、日本人ビジネスマンの素顔|カワノアユミ(夜モノライター)
https://finders.me/articles.php?id=205
【第4位】武内和久・藤田英明『介護再編 介護職激減の危機をどう乗り越えるか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
記事タイトル:介護が必要になる前に知っておきたい!平成の「量産型」介護制度が残した、新時代への課題
https://finders.me/articles.php?id=521
日本の介護制度は、現場の介護士の給与の低さを筆頭に問題だらけであることはそれなりに知られていると思いますが、具体的に何がどう問題かを詳しく知っている人はそう多くはないのではないでしょうか。
かくいう自分も同様で、だからこそ選びもしたのですが、実際にしっかりとPVが出ていることも鑑みると、編集者としては「日本の人口構造(高齢者の次に40代が多い=介護について本格的に向き合う必要が出てきた層が多い)」をより如実に実感します。
【第5位】堀江貴文『これからを稼ごう―仮想通貨と未来のお金の話』(徳間書店)
記事タイトル:「今から」やらないと「これから」は掴めない。ホリエモン流仮想通貨入門
https://finders.me/articles.php?id=328
12月28日現在、1ビットコインの価格が40万円をも下回っている状況であり、「仮想通貨バブルとはなんだったのか」という反省会をするよりも先に、黒歴史扱いのようになってしまっている昨今ですが、次に大きく注目されるであろう物事というのは、バズワード化して誰もが注目する時期ではなく、こうしたお通夜状態の時期にこそ、その芽が出ているものです(そうした時期にもコミットし続ける者こそが往々にして「ホンモノ」だからですね)。
単なる「カネ儲けツールとしての仮想通貨」としてだけではなく、ブロックチェーンやトークンコミュニティが今後どう進化し、どう社会を変えていくのかということはいずれFINDERSでも扱っていきたいなと思っていますが、これまで全然話題をフォローしてこなかったという人も、ブームが終了し落ち着いた時期になったからこそ、一度勉強してみるのも面白いかもしれません。
(集計期間:2018年4月10日~12月28日)