地域との30年を、次の30年へつなぐ新プログラム
日本上陸から30年を迎えたスターバックスが、単なる周年記念キャンペーンにとどまらず、地域社会そのものと向き合う長期プログラムを立ち上げた。全国一律の商品展開ではなく、県ごとに異なる土地の魅力を掘り起こし、次の世代へつないでいくという発想は、地域ブランディングや町おこしに関わるビジネスパーソンにとっても参考になる事例だろう。
2026年8月5日から青森県・群馬県・沖縄県の3地域で始動する『STARBUCKS JIMOTO PROGRAM』は、スターバックス コーヒー ジャパンが1996年の銀座1号店出店以来育んできた「コミュニティ コネクション」を土台に、それぞれの地域が持つ自然・文化・産業の価値を発信し、次代へ継承することを目的とした取り組みだ。
各地域では、その土地ならではの商品開発だけでなく、地域資源の再発見や環境保全といった活動も並行して展開される。店舗を単なる購買の場から、地域と人、人と人をつなぐ接点へと広げていく狙いがある。
青森のりんご、群馬の上毛三山、沖縄の黒糖――地域色を映した限定メニュー
青森県では、社内で結成された「青森りんご隊」が中心となって商品開発を進めた。県内全店舗で通年販売する「青森 やだらめぇりんご アーモンドミルク フラペチーノ®」(Tallのみ、税込825円〜840円)は、りんごをそのまま味わうような食感と風味が特徴で、好みのビバレッジやフードに青森県産りんご果肉を追加できるカスタマイズ(108円〜110円)も用意される。
群馬県では、みなかみ町と進める「森のスターバックスプロジェクト」を軸に、間伐材を使った「群馬 森とつながるタンブラー」(355ml、3,600円)を販売するほか、上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)をモチーフに、群馬県産の飲むヨーグルトを使った3種のフラペチーノ®を1店舗につき1種ずつ展開する。ストロベリー、キウイ、パインとそれぞれ異なる色とフルーツで山を表現しており、店舗を巡って飲み比べる楽しみも生まれる仕掛けだ。
沖縄県では、島の宝物とされる黒糖に光を当て、「沖縄 まーさん黒糖 フローズン ミルクコーヒー」(Tall726円〜)や「沖縄 まーさん黒糖 アイスミルクティー」(Tall628円〜)を用意した。フードには沖縄県産シークヮーサーを隠し味に使った3種のサンドイッチも新登場し、飲食を通じて地域の食文化に触れられる構成になっている。
海岸のごみから生まれる「ゆいまーるアート」が沖縄12店舗を彩る
沖縄県内の店舗展開で象徴となるのが、小さな魚のオブジェ「ゆいまーるアート」だ。県内のパートナーが地域の人々とともに海岸で回収したプラスチックごみを素材に、大阪を拠点に国内外で滞在制作を行うアーティスト「淀川テクニック」が一つひとつ手掛けている。「相互扶助」を意味する沖縄の言葉「ゆいまーる」の精神を込め、素材集めを通じて生まれる人とのつながりや、島の自然を未来へ引き継ぎたいという思いが形になっている。
第1弾として那覇国際通り牧志店やイオンモール沖縄ライカムの店舗など12店舗に設置され、今後順次拡大していく予定だ。同じ作品は一つとしてなく、素材や質感、形状が店舗ごとに異なるため、複数の店舗を訪れてお気に入りを探すという新しい楽しみ方も生まれている。
企業が周年を機に、地域の課題や資源と正面から向き合い、商品開発からアートまで一貫した取り組みに落とし込んでいる点は、地域とビジネスの関わり方を考えたい読者にとっても示唆に富む。夏の旅先やちょっとした遠出のついでに、青森・群馬・沖縄それぞれの店舗を訪れ、その土地でしか味わえない一杯やアートに出会ってみてはいかがだろう。
STARBUCKS JIMOTO PROGRAM
開始日:2026年8月5日(水)
対象地域:青森県・群馬県・沖縄県のスターバックス店舗
主な取り組み:青森「青森りんご隊」による地域商品開発、群馬「森のスターバックスプロジェクト」、沖縄「ゆいまーるアート」の設置など
公式サイト
https://stories.starbucks.co.jp/starbucks-jimoto-program/