LIFE STYLE | 2018/08/02

5色の旗に彩られた街カトマンズ【連載】世界の都市をパチリ (17)

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宮崎大輔
1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJ...

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宮崎大輔

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1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊に参加。中米パナマ共和国で農業指導を2年間行う。2015年からフリーランスになり日本、東南アジア、南米、アフリカの案件に農業コンサルタントとして従事。またノマド生活をしながら、世界中でスナップ写真やポートレート写真を撮影中。ブログ  

ネパールのカトマンズへ

インドでホーリーの撮影を終えた私は友人と別れ、飛行機でネパールへ向かいました。カトマンズにあるトリブバン国際空港へと着陸態勢に入ったので、街の景色を眺めようと窓の外を見てみるととても驚きました。なぜかというと、カトマンズはネパールの首都のはずなのに高層ビルがまったくなく、眼下に見えていたのはレンガ造りの小さな建物ばかりだったからです。予想以上に小さな街だったので、「まさか、別の地方にある空港へ着陸するのかな?」とさえ一瞬考えたほどです。

これまで中南米やアフリカなどの開発途上国に行きましたが、首都がこれほどまで経済発展していない国に来たのは初めてでした。どんな国へ行っても首都となると近代化が進んでいて、お金さえ払えば日本とさほど変わらない生活ができました。しかし、ネパールはどうやらこれまで訪問した国とは勝手が違いそうだと、着陸態勢に入った機内で覚悟を決めました。

外国人旅行者が集まるタメル地区

カトマンズに着いてまず閉口したのは、タクシー運転手の客引きのしつこさでした。いくら断ってもしつこく話しかけられ、どこまでも付いてきます。ただ、それが5年前に旅したインドに似ていて、懐かしくも感じましたが。客引きを振り払い、安全な空港タクシーを利用して、まずはタメル地区にあるホテルへ向かいます。タメル地区とは外国人旅行者向けのホテルやレストラン、お土産物屋などが集まった地域です。私はこの地域が気に入ったことと体調を崩したこともあり、第二の都市ポカラ行きをキャンセルして、タメル地区に一週間滞在しました。

ネパール人の親切さに触れる

ホテルのチェックインが終わったら、次はSIMカードを買うことにしました。世界中いつでもどこでもインターネットに接続するために、私は海外でもSIMカードを購入します。そのせいで保有するSIMカードの枚数は30枚を超えました。

さっそくホテルのスタッフにSIMカードの購入方法を尋ねると、「ついて来い」といわれました。その言葉に従って彼について行くと、タメル地区にあるお店で証明写真を撮影してくれ、携帯ショップでも代わりに手続きを進めてくれ、無事にSIMカードを購入できました。彼のおかげでSIMカードが手に入ったのでチップを渡そうとすると、「いらない」と言います。空港で遭遇したタクシー運転手との態度の違いに驚き、多様な文化を持つといわれるネパール人のことをますます知りたくなりました。

5色の旗「タルチョ」の意味とは

カトマンズに着いてすぐに気になったのが、そこかしこに飾られたカラフルな旗です。タメル地区の建物の屋上には長いヒモが通され、そこに三角形の旗が付いています。通りの頭上には四角い旗が並べられ、その旗には文字が書かれています。

調べてみると、この旗はチベット仏教の旗で「タルチョ」という名前だそうです。旗には仏教の経典が書かれていて、風で旗がはためくとお経を読んだのと同じ効果があるとされています。5色にもそれぞれ意味があり、人々の願いが込められているそうです。

私はタルチョの魅力に惹かれて、この写真ばかり撮影しました。青い空にはためいているのも素敵ですが、私が気に入ったのは闇夜に輝くタルチョです。お店のネオンで照らされるタルチョと、その下を歩く人々の組み合わせは、とても美しいものでした。

外の環境では苦労する面も

カトマンズに一週間滞在して、カトマンズが好きになりました。タルチョと街の混沌とした雰囲気は大好きですし、本格的な日本食も格安で食べられます。ただし、良い面ばかりではありません。

砂埃がたっているので常に空気がほこりっぽくて、外を出歩くにはマスクがほしくなります。街を歩いているとしつこい客引きも多いですし、麻薬の売人からひっきりなしに声をかけられます。その分、これから経済成長していくにつれてカトマンズがどのように変化していくのか、これからも定期的に訪問して変化を見ていきたいと思いました。


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