EVENT | 2019/11/08

純利益の高い世界の企業トップ20をグラフにしてみたら、予想外の企業が儲けを上げていた

文:岩見旦
FINDERSでは以前、「収益額の高い世界の企業トップ100をマップにしてみたら、勢力図に異変が起きている...

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文:岩見旦

FINDERSでは以前、「収益額の高い世界の企業トップ100をマップにしてみたら、勢力図に異変が起きていることが分かった」という記事を公開し、反響を得た。

収益とは会社に入ってくるすべてのものを示しており、そのほとんどが売上だ。今回は、そこから費用を差し引いた当期純利益で、世界の企業を比較する。収益をいくら上げていても、費用がそれ以上に掛かっていれば、利益がマイナスになることもある。つまり、この純利益の高い企業こそが、本当に儲けているということだ。

米国の経済誌『Fortune』が毎年発表している世界の企業を対象とした「Fortune Global 500」2019年版の情報を元に、Howmuch.netが制作した、世界で純利益の高い企業トップ20のグラフを紹介する。

純利益トップ20のグラフはこちら

まずは、こちらのグラフをご覧いただきたい。企業のロゴの書かれたグラフの大きさで、昨年度の当期純利益の高さを表現している。書かれている金額は1日当たりの純利益だ。

トップ10は下記のようになった。

1位 サウジアラムコ(サウジアラビア) 当期純利益1110億ドル
2位 Apple(アメリカ) 当期純利益595億ドル
3位 中国工商銀行(中国) 当期純利益450億ドル
4位 サムスン電子(韓国) 当期純利益399億ドル
5位 中国建設銀行(中国) 当期純利益385億ドル
6位 JPモルガン(アメリカ) 当期純利益325億ドル
7位 Alphabet(アメリカ) 当期純利益307億ドル
8位 中国農業銀行(中国) 当期純利益307億ドル
9位 バンク・オブ・アメリカ(アメリカ) 当期純利益281億ドル
10位 中国銀行(中国) 当期純利益272億ドル

サウジアラビアの石油会社の利益はIT大手3社の合計以上

トップに輝いた企業は、サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」。毎日3億400万ドル(約331億円)という驚異的な利益を上げている。この数字はApple、Alphabet、Facebookの利益の合計を上回る。

サウジアラムコは先日、国内の株式市場に上場する手続きを開始したと発表。史上最高額である250億ドルを調達したアリババ・グループを超える調達額になる可能性があると予想されている。

サウジアラムコに続いて、Apple、中国工商銀行がトップに名を連ね、韓国のサムスン電子が4位に躍り出た。ちなみに、総収益1位だったウォールマートは当期純利益では92位に収まった。

1位はアメリカ、2位は中国。日本は?

当期純利益の高い企業トップ100には、19カ国の企業がラインナップされている。最も多かったのはアメリカで41社。次いで中国が17社となった。

日本も20位圏内にはトヨタ自動車(19位)の1社だったものの、100位までの中にソフトバンクグループ(34位)、東芝(62位)、ソニー(74位)、三菱UFJフィナンシャルグループ(79位)、NTT(80位)、住友三井フィナンシャル・グループ(94位)と7社がランクインした。もうすぐ迎える2020年代の幕開けと共に、日本企業の巻き返しを期待したい。