「みること、つくること、つながること」を通して、美術館での出会いと学びを再発見
東京都美術館では、アート・コミュニケーション事業の12年間の取り組みを紹介する展覧会 「アート・コミュニケーション事業を体験する 2025 みること、つくること、つながること『Museum Start あいうえの』12年と現在地」 を、2025年7月31日(木)から8月10日(日)まで開催する。

同館は2012年度のリニューアルを契機に、障害や年齢、背景に関係なくすべての人に開かれた 「アートへの入口」 を目指し、アート・コミュニケーション事業を展開してきた。その象徴的な取り組みとして、上野公園内の複数の文化施設と連携し、子どもたちのミュージアムデビューを応援する 「Museum Start あいうえの」 を2013年より実施してきた。今展では、その12年間の活動の記録と成果をアーカイブ展示で振り返るとともに、参加型のワークショップや作品鑑賞の対話の場を通して、来場者が美術館の新たな可能性に触れることができる。
展覧会の前半では、他者や文化財との関わりを大切にしながら創作を続ける3組の作家を紹介。上野の風景を題材に日本画を描く森友紀恵、家族との生活と創作を一体化した活動を行うアーティストユニット・がかのか族、視覚に頼らず手の感覚で彫刻を制作する三輪途道が出展する。それぞれの作品は、アートが個人と社会を結びつける力を感じさせるものである。
また、会場では 「とびらプロジェクト」 のアート・コミュニケータ (とびラー) が常駐し、来場者とともに作品を見て感じたことを共有し合う場をつくり出す。視るだけにとどまらず、つくること、語ることを通じて、人と人、人と文化がつながる場が生まれることを目指している。
さらに、出品作家によるトークイベントや、子どもから大人まで楽しめる鑑賞プログラムなど、関連プログラムも多数用意されている。学芸員によるギャラリーツアーや、視覚障害の有無に関わらず楽しめる鑑賞会も開催され、多様な人々がアートを介して関わりあう機会が創出される。
この夏、ミュージアムでの学びとつながりの価値を体感できる本展は、アートを通じた共生の社会の在り方を考えるきっかけにもなるだろう。
詳細については、公式サイトをチェックしてほしい。
アート・コミュニケーション事業を体験する 2025
みること、つくること、つながること 「Museum Start あいうえの」12年と現在地
会期:2025年7月31日(木)~8月10日(日)
休室日:8月4日(月)
開室時間:9:30~17:30 (入室は閉室30分前まで)
会場:東京都美術館 ロビー階 第3公募展示室
観覧料:無料
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
公式サイト
https://tobira-project.info/ac-ten/