BUSINESS | 2026/09/11

老いる国が、医療イノベーションの表彰台に立つ日

医療のノーベル賞「プリ・ガリアン」2027年2月、ホテルニューオータニで日本初開催

FINDERS編集部

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「医療のノーベル賞」プリ・ガリアンが、日本で初めて開催される

日本発の医薬品が世界の表彰台に立つ一方で、その舞台そのものは長らく日本になかった。そんな構図に、今回ひとつの区切りが訪れる。

国際的権威機関The Galien Foundation (事務局:ニューヨーク、会長:ブルーノ・コーエン氏) は、医薬品・医療技術分野で世界最高峰とされる国際アワード「プリ・ガリアン・ジャパン2027」を、2027年2月25日(木)にホテルニューオータニ(東京都千代田区)で開催すると発表した。1970年にフランスで創設されたプリ・ガリアンは「医療のノーベル賞」とも称される権威ある賞であり、日本での開催は今回が初めてとなる。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授本庶佑教授も、それぞれ祝福のメッセージを寄せている。山中教授は「国境を越えた協働から生まれる医療のイノベーションは、新たな希望を生み、世界の人々の人生を変えていきます」とコメントし、本庶教授も「長年にわたる研究の積み重ねが社会に価値を生み出し、科学の進歩とその精神を未来へつないでいく」と、その意義に期待を寄せた。

プリ・ガリアンの特徴は、最終審査を医師・研究者が担い、売上や市場規模を評価軸に含めない点にある。ノーベル生理学・医学賞が個人の発見を称えるのに対し、プリ・ガリアンは製品や研究チームそのものを表彰する。創設メンバーには13名のノーベル生理学・医学賞受賞者が名を連ね、これまでバラク・オバマ氏やビル・クリントン氏、ジョージ・ブッシュ氏ら各国元首脳、WHO事務局長からも祝辞が寄せられてきた。現在は米国・英国・フランス・インドなど世界17カ国とアフリカ地域で展開されており、日本・シンガポール・オーストラリアへの拡大が進んでいる。

日本のノーベル賞受賞者からの応援メッセージ

山中 伸弥 教授(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
「国境を越えた協働から生まれる医療のイノベーションは、新たな希望を生み、世界の人々の人生を変えていきます。プリ・ガリアン・ジャパンの誕生は、まさにその精神を体現するものです。」
本庶 佑 教授(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
「プリ・ガリアンが日本で始まることを、心よりお祝い申し上げます。長年にわたる研究の積み重ねが社会に価値を生み出し、科学の進歩とその精神を未来へつないでいく。その意義を称える賞になることを期待しています。」

日本開催が実現した背景には、日本が抱える課題の大きさそのものがある。65歳以上の人口が29.4%を占める日本は世界で最も早く高齢化が進んだ国であり、予防医療の停滞や新薬承認の遅れといった課題を、他国に先駆けて経験してきた。これは日本固有の問題ではなく、10年後のアジア、20年後の世界が直面する未来でもある。

一方で日本は、ライフサイエンス研究において米国・中国に次ぐ規模の貢献を果たし、先発医薬品の市場規模でも世界第2位を誇る。がん治療や再生医療、AIを活用した創薬、デジタルヘルスに至るまで最先端のイノベーションを生み出し続けており、2030年までに100兆円規模のバイオエコノミーを掲げる国家戦略とも歩調を合わせている。

実際、抗悪性腫瘍剤「オプジーボ」や「エンハーツ」、血友病治療薬「ヘムライブラ」など、日本発の医薬品はこれまでも米国やフランス、イタリアなど各国のプリ・ガリアンで繰り返し最優秀賞を受賞してきた。優れたシーズを生み出す力を持ちながら、その評価の舞台は常に海外にあった。プリ・ガリアン・ジャパンは、その構図を変える最初の一歩といえる。

受賞はゴールではない、日本発の医療イノベーションを実装まで導くプラットフォームへ

「プリ・ガリアン・ジャパン2027」は、医薬品、バイオテクノロジー、オーファン・希少疾患、メディカルテクノロジー、デジタルヘルス、スタートアップの6カテゴリーで授賞する。審査は科学的・臨床的な革新性と健康への影響のみを基準とし、市場規模や開発費用は評価対象に含めない。審査委員長は日本医学会会長の門脇孝氏が務め、審査書類の提出締切は2026年11月6日(金)、受賞製品・企業は2027年2月25日の授賞式典で発表される予定だ。

主催者が強調するのは、受賞そのものをゴールにしないという姿勢である。優れたシーズが社会に届くまでの道のりはまだ長いとした上で、プリ・ガリアン・ジャパンは受賞をきっかけに、日本発のイノベーションを世界へ発信するための起点にすると位置づけている。研究者や規制当局、スタートアップ、投資家が組織の枠を超えて集うこの場は、医療の未来を左右するシーズが実装まで伴走されるエコシステムの拠点となることを目指す。

医療やヘルスケア領域の研究開発に携わるビジネスパーソンにとって、この動きは単なる表彰式の話にとどまらない。国際的な評価軸が日本に根づくことで、研究成果がどのように社会実装され、世界へ発信されていくのか。その最初の合流点として、2027年2月の授賞式典に注目したい。


プリ・ガリアン・ジャパン2027
開催日:2027年2月25日(木)【フォーラム】13時前後開始予定、【授賞式典】18時前後開始予定
会場:ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町4-1)

内容:フォーラム、授賞式典、ディナーセレモニー
受賞製品・企業:5製品・2企業予定
主催:The Galien Foundation

審査書類提出締切:2026年11月6日(金)


公式サイト
https://www.galienfoundation.org/