CULTURE | 2024/08/08

奥中章人「Synesthesia-アートで交わる五感-」展
東京・天王洲 WHAT MUSEUM にて開催。

美術家・奥中氏による体験的なバルーン状彫刻作品を展示

FINDERS編集部

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最大直径12メートルの体験型バルーン状彫刻作品を展示 

寺田倉庫株式会社が運営する現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2024年10月4日(金)から2025年3月16日(日)まで、美術家・奥中章人による体験的なバルーン状彫刻作品を展示する「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展を開催する。

「空気と水と光」を題材に巨大な作品を制作し、鑑賞者の感覚を揺さぶる体験を生み出してきた奥中章人。タイトルの「Synesthesia(シナスタジア)」とは共感覚を意味するが、奥中はこの言葉を独自に解釈。感覚することが、自然・社会・人を繋げる可能性になるのではないかと考え、作品も従来の形から有機的な形へと変貌する様を作品に落とし込んだという。

本展では、今回のために特別に制作された、最大直径12メートルにもおよぶバルーン状のインスタレーション作品が発表される。展示室いっぱいに膨らみ、さまざまな色に変化する作品の内側には、大きな水枕が置かれており、空気と水と光という「形のない」ものを媒介に、人間の感覚を呼び起こすという。形を持たないはずの存在を感覚することで、他者と身体的感覚を超えた「つながり」を感じさせるねらいだ。

また奥中は、科学技術社会学の分野を中心に活躍した哲学者ブリュノ・ラトゥールの影響を受けており、元々学んでいた教育学と社会学に、自然と社会の二元論を支柱とした近代のあり方を見直すことを提唱するラトゥールの思想を加えているという。本展示では、奥中の哲学的思考から生まれた作品の背景や、作品に落とし込むプロセスの一端も展示資料で観ることができる。

実際に作品に触れ、中に入り、寝転びながら、五感を交えた体験を通じ、自然や社会、他者との「つながり」を感じるきっかけを提供したいとしている。

INTER-WORLD/SPHERE: Relation of Air, Water, Light and Us, 2022年 ©Akihito Okunaka
INTER-WORLD/SPHERE: Relation of Air, Water, Light and Us, 2022年 ©Akihito Okunaka

奥中 章人(おくなか あきひと)

美術家

1981年京都府に生まれる。同地在住。美術家/あおいおあ共同代表/木津川市山城総合文化センター体感アート講座主宰。

静岡大学教育学部卒業後、幼児/美術教育を専門に静岡県立美術館ならびに障がい者施設にて美術あそび講師を務めたのちに、近現代の思想を学び美術家となる。野村財団、朝日新聞文化財団などの助成を得て、フランス・韓国・中国にて特別研究員として研鑽を積む。ヒト・モノ・コトのダイナミズムを水・空気・光の性質や在り方を通して追求することをテーマに、各地の地域アートにてワークショップを多数開催し、体験的な巨大作品を国内外で発表している。


奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展

会期:2024年10月4日(金)~2025年3月16日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1階SPACE 2 (東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
開館時間:火~日 11:00~18:00 (最終入館17:00)
休館日:月曜 (祝日の場合、翌火曜休館)、年末年始
入場料:一般 1,500円、大学生/専門学生 800円、高校生以下 無料
※同時開催の展覧会の観覧料を含む
※チケットはオンラインにて事前購入可
※本展会期中に何度でも入場できるパスポートを販売
展覧会パスポート 2,500円 (本展と同時開催中の展覧会が観覧可能)
主催・企画:WHAT MUSEUM
協力:木津川市山城総合文化センター アスピアやましろ、住化積水フィルム株式会社、株式会社寺岡製作所、株式会社ホログラムサプライ
URL:https://what.warehouseofart.org/exhibitions/synesthesia