東日本大震災を契機に誕生した移動式ホール、8年越しの本国凱旋
東日本大震災からの復興支援を目的に制作された移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」が、この秋、スイスのルツェルン・フェスティバルで初めて本国デビューを果たす。被災地の人々に世界最高峰の音楽を届けるため、2013年から2017年にかけて宮城、福島、東京を巡った「音楽の箱舟」が、ついにスイスへと帰還する。
「アーク・ノヴァ」は、ルツェルン祝祭管弦楽団をはじめとするアーティストらが中心となって発案されたプロジェクトで、空気で自立する直径36メートル、高さ18メートルの巨大なエアドームが会場となる。美しい茄子色をまとい「心臓」を象徴するかのようなフォルムは、建築家の磯崎新氏と彫刻家アニッシュ・カプーア氏による共同デザインである。震災から立ち上がろうとする東北の人々を包み込むように、国内各地で温かな音楽体験を生み出してきた。


約1か月にわたる音楽祭、内部ツアーで“生きた建築”を体感
今回のルツェルン・フェスティバルは、8月12日(火)から9月14日(日)まで開催される。常設ホールでの公演に続き、「アーク・ノヴァ」は9月4日(木)から9月14日(日)までの11日間登場する。会期中には3回にわたって内部を歩き回るツアーも実施され、観客は演奏だけでなく、この特異な構造体が生み出す空間そのものを味わうことができる。
かつて被災地で人々を包み込んだ巨大な「心臓」が、今度はスイスで鼓動を響かせる。音楽と建築、そして人々の想いをつなぐ「アーク・ノヴァ」の旅は、新たな章を迎えようとしている。


ルツェルン・フェスティバル・アーク・ノヴァ
日程:2025年9月4日(木)~9月14日(日)
※全日程は2025年8月12日(火)~9月14日(日)
※8月12日(火)~9月3日(水)はルツェルン市内常設ホールで開催
場所:ルツェルン・カルチャーコングレスセンター
料金:15フラン(6歳以下無料)
公式サイト
https://www.lucernefestival.ch/en/