結局売人だったのか、そうでなかったのか
現在の通院状況、実名報道されたことによる仕事上の取引の打ち切りなど、犯行後の現状についての質問が終わると、弟に関しての質問に移ります。
弁護人「同居していた弟さんは、Z被告人の大麻とコカインの使用と所持を知ってた?」
Z被告人「知らなかったと思います。私が1階で、2階が事務所、3階に弟が住んでいて、弟の前で吸ったこともないので」
なんともモヤモヤする返答と思ってたら、すかさず裁判官が割って入ってきて質問です。
裁判官「キッチンは2階だけど、共用じゃないんですか?」
Z被告人「共用なんですが、この日は隠し忘れてました」
裁判官「警察の捜索の時にたまたま出てたの?」
Z被告人「はい」
普段は弟に見つからないように隠していたということですよ。
続いて検察官からの質問。
検察官「取り調べでは、コカインは毎日吸っていたと?」
Z被告人「はい」
検察官「最後に購入したのが今年の3月なんですよね。何グラム買ったの?」
Z被告人「20ですかね」
検察官「ん? 20g? 所持していたのが20ですけど?」
Z被告人「3月から使っていなかったので」
またもやモヤモヤ問答。すると裁判官が確認です。
裁判官「計算合わないじゃない! 3月に20以上買ったんじゃない?」
Z被告人「いや、1年前に40買ったので」
これ本当の話? 一度にコカイン40gも買うなんてあるのかなぁ。傍聴で得た知識だと、大体1g入りのパケで少しづつ売っているものかと思ってたんだけど。密売人だって大量に持っているわけにいかないしね。
裁判官「3月に20g買って、そこから5カ月間一度も使ってませんって……信じられないのわかります?」
Z被告人「はい」
本人も言ってることが信用されないのは当然だと思っているようです。
裁判官「逮捕容疑は営利目的だったんですね」
Z被告人「そうなんですか? ボク的には違いますけど」
逮捕当初は大量過ぎて売人だと疑われてたっぽいですね。
裁判官「3月に40万円分買ったと?」
Z被告人「はい」
裁判官「買う時に売人に連絡するんですか?」
Z被告人「いや、連絡先知らないので。そのクラブにいたので……」
裁判官「クラブ行ったら、その人がいて、40万円分のコカイン持ってたんですか?」
Z被告人「いや、40万円分まとめてじゃないと売れないって」
そんな売人いるの? 当然違法だから買ってくれる人を探すだけで大変だろうに、40万円分でしか売らない強気な商売をするなんて。仮に「1回くらい…」と心がグラついたとしても、40万円のまとめ売りって言われたら正気に戻りそう。郊外の量販店じゃないんだから。ってか、少量でも犯罪ですけどね。
裁判官も呆れたのか、これ以上は何も訊かず質問終了でした。
この後、検察官が懲役3年6月と大麻・コカインの没収という求刑をして閉廷。
今後も兄弟で同居するってのが心配なんですよね……。40才過ぎて一緒に海外旅行に出かける仲って、相当ですよ。
ちなみに判決は12月3日の予定となっています。
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