被告はどうやって薬物を手に入れたか
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法廷にはZ被告人の母親が情状証人として証言台に立ちました。まずは弁護人から。
弁護人「逮捕前ですけど、どれくらいのペースでZ被告人と連絡取ってました?」
母親「週に1回くらいLINEか電話をしてました」
弁護人「逮捕は何で知りましたか?」
母親「本人と連絡が取れず、職場に連絡をして知りました。こんなに長く連絡取れないのは初めてでしたので」
弁護人「何故やったと理解してますか?」
母親「保釈後に、出来心でついついと言っておりました」
弁護人「現在は同居中。Z被告人はどんな行動をしているんですか?」
母親「反省して落ち込んでいる様子です。薬物治療で通院したり、パンフレットを読んでいかに悪いものかを再確認しています」
反省の日々、治療の毎日を送っているようですね。そして、この事件の報道を知らない人には衝撃の質問です。
弁護人「Z被告人の弟も同時逮捕されていますよね。母親の立場でどう思いました?」
母親「非常に驚きました」
息子2人が同時に違法薬物で逮捕って……。しかも前科もないんだからビックリしたことでしょう。
弁護人「息子さん2人は同居していたと。プライベートも仲良いんですか?」
母親「ほぼ関わりないと思いますね」
弁護人「今後も兄弟で同居するんですか?」
母親「はい。一緒に仕事してますので」
同居している2人が薬物の使用と所持で逮捕されたら、別居させるのがよくあるパターンだけど、同居継続宣言ですよ。
それを聞いた検察官から即質問です。
検察官「ん? 兄弟で一緒に住む?」
母親「はい」
検察官「薬物依存の心配とか親としてないんですか?」
母親「同居しててその様子はなかったので依存はないですね」
検察官「でも兄弟で同居すると、どちらかが使った時、どっちかが崩れた時に互いが使ってしまうとかないですかね?」
母親「2人はプライベートな接触がないので心配してません」
同居してて、兄弟で、会社も一緒でプライベートの接触がないってどういう意味なんですかね。証拠には出てないけど、Z被告人のブログを読むと兄弟で海外旅行とかの報告してるんですよね。仲が良くて微笑ましいんですけども。
続いて裁判官もお母さんの態度に面食らっている様子で、
裁判官「薬物がキッチンに見えるように置かれてたみたいですけど、お互いに影響与えてないんですかね?」
母親「2人はプライベートが別ですので」
裁判官「2人が薬物に手を出したのは偶然?」
母親「はい」
裁判官「あの~、所持量わかってます? 40万円分買って、1日2万円分使ってたと供述してるんですよ。さっき依存してないっておっしゃるからね。また同居したら再び手を出すかもって危機感持ってくださいよ!」
と、説教をされてしまう始末。やりとりを聞く限り、ちょっと不安ですよね……。
そして、被告人質問です。まずは弁護人から。
弁護人「初めて大麻を吸ったのはいつですか?」
Z被告人「アメリカの大学にいる時……20年以上前です」
弁護人「再び使ったのは何故ですか?」
Z被告人「1年前に六本木のクラブですすめられて一度だけなら、と」
弁護人「コカインも持っていたわけですが、入手経路は?」
Z被告人「今年3月、六本木のクラブで購入しました」
弁護人「何回くらい買ったんですか?」
Z被告人「1年前と今年の3月の2回です」
定期的にちょくちょく購入していたわけじゃないんですね。
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