村中誠さんの表紙絵でこの連載を本にすることが夢
断片的で読者には申し訳ないのですが、ここまでしか知らないのです。
『メルマ旬報』の連載では、この正体不明の画家の現在地が、現代、過去に行き来しながら語られていきますが、合間に挟んだ自作の絵が実に綺羅びやかに印象的で、即、ボクのお気に入りの連載になりました。
正直言って、すぐに日本中の人が彼の才能に気づいてくれるはずだと思っていました。
必ずや彼の絵の注文が殺到するに違いないと……。
しかし、それは自分の発信力の自惚れに過ぎないことを知りました。
まだまだ、Nobodyknowsの状態と言ってよいでしょう。
その後、村中さんがSNSに「本の装丁をするのが夢」と書かれているのを見つけました。
それならば渡りに船で、先月からボクの連載開始のタイミングで彼に要請して、この『藝人春秋FINDERS』の挿絵に加わっていただきました。
元々一介の役者さんが、何の教育を受けないまま衝動的に料理人になることも不思議な物語ですが、パリに出掛けて、フランス語もおぼつかないまま異国で働き出すところや、またコロナ禍故に絵を再び描き出すところも、まるで天命のようであり劇的です。
今のところ、ボクは彼の表紙絵と装丁で、この連載をいつか本にすることを夢と定めました。
読者も、この『村中誠』に焦点を絞って「発見」して、ぜひ、このふたりの夢の実現にお付き合い下さい。